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現代産業選書知的財産実務シリーズ

攻めの農林水産業のための知財戦略 ~食の日本ブランドの確立に向けて~ 農水知財基本テキスト

編:農水知財基本テキスト編集委員会

紙版

内容紹介

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オールジャパンによる「農水知財基本テキスト」がついに実現!
関係官庁や法曹界が横断的にそれぞれの専門領域を解説した斬新な一冊
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 農水知財の勉強に際し、所管が多くの省庁に分かれる農水知財関係の法律について、信頼できるまとまったテキストが未だ存在しないことに不便さを感じることがあります。

 そこで、本書は、縦割り行政と揶揄されがちな行政庁にあって、農林水産事業の安定的発展を願う気持ちから、関係各省庁が農水知財にスポットライトを当てて知財法制を横断的に解説することを試みた斬新な一冊となっております。また、それに加えて農水知財分野を取り扱う弁護士が、これまでの判例等を紹介・解説しております。

 各省庁・組織ができる限りの工夫を凝らして、難しい法制・判例を平易な文章で(専門的な文章にならないように心がけて)解説・説明した本書は、農水知財人材の育成やマネジメントの際の必読書です。

目次

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第1章 農林水産業・食料産業における知的財産の重要性
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Ⅰ 農林水産業・食品産業における知的財産
  農林水産業と知財の関係
  農林水産業に知的財産が浸透しない理由
  (a)  農林漁業者のマインド
  (b)  選別を嫌う日本人の特性
  (c)  知的財産制度への正しい理解の欠如
  (d)  各知的財産制度には、違った役割があることへの理解不足
  なぜ、日本の農林水産業にとって、知的財産が重要なのか?
  (a)  農業のグローバル化
  (b)  海外における日本の地名、商品名称の使用
  (c)  デザインの使用
  (d)  技術の流出
  まとめ
Ⅱ 政府としての農水知財対策の取り組み
  農林水産省の取り組み
  (a)  技術流出対策とブランドマネジメントの推進
  (b)  知的財産の保護・活用による海外市場開拓
  (c)  国際標準の戦略的な活用
  (d)  伝統や地域ブランド等を活かした新事業の創出
  (e)  ICTによる農林水産業の知の抽出と財産化、及びその活用による新事業の創出
  (f)  種苗産業の競争力の強化
  (g)  研究開発における戦略的な知的財産マネジメントの推進
  (h)  知的財産戦略に関する啓発及び人材の育成
  政府全体の取り組み(知的財産戦略本部)
  (a)  知的財産戦略本部と知的財産推進計画
  (b)  「知的財産推進計画2017」の構成
  (c)  「知的財産推進計画2017」の概要(農林水産業・食料産業の知財戦略について)
  (d)  むすび
Ⅲ 農林水産事業の競争力向上のための法律知識(知財ネット)
  農林水産事業の事業主体について
  (a)  事業主体
  (b)  法人化のメリット・デメリット
  (c)  法人の種類
  (d)  活動資金の獲得方法
  農地の取得・賃貸-農地法の枠組み、各種契約、最近の中間管理機構
  (a)  本項のあらまし
  (b)  農地法の許可を受けて取得・賃貸する方法
  (c)  農地法の許可を受けて所有権を取得するための要件
  (d)  農地法の許可を受けて賃貸借するための要件
  (e)  農地法以外の特別法等により権利を取得する方法
  生産物の販売(営業):直接販売、販売店による買取、手数料による委託販売、展開等の交渉と契約について
  (a)  はじめに
  (b)  農業における取引の現状
  (c)  契約取引・直接販売について
  (d)  おわりに
  農業資材の購買(リース・割賦等)
  (a)  農業資材
  (b)  農業資材の購買
  (c)  リース契約
  (d)  割賦払い
  (e)  農業資材の購買と独占禁止法
  第四次産業革命と農水知財(弁護士の視点から)
  (a)  はじめに
  (b)  データの知財制度上の取扱い
  (c)  IT室の農業分野における取組み
  (d)  おわりに
  農水知財に関する国際機関の基礎知識
  (a)  はじめに
  (b)  知的財産分野の国際協定とWIPOの成り立ち
  (c)  特許協力条約(PCT)の下での国際特許出願
  (d)  マドリッド協定議定書(マドリッド制度)
  (e)  その他の国際機関と農水知財
  (f)  おわりに

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第2章 各知的財産法と農林水産業・食品産業の関係
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Ⅰ 産業財産権制度での保護
  特許・実用新案制度
  (a)  特許・実用新案制度の概要
  (b)  農林水産業・食品産業における特許による保護について
  意匠制度
  (a)  意匠制度の概要
  商標制度
  (a)  商標制度の概要
  (b)  地域団体商標制度
  訴訟制度、商標関係訴訟の判例解説
  (a)  訴訟制度について
  (b)  裁判例
  海外における農水知財の保護と活用
  (a)  特許権・意匠権・商標権による農水知財の保護と活用
  (b)  「法整備支援の観点からみた知的財産権保護」
Ⅱ 種苗法の保護
  品種保護制度の解説
  (a)  品種登録制度とその目的
  (b)  品種登録制度の概要
  UPOV条約と海外での育成者権の保護
  (a)  UPOV条約とは
  (b)  UPOV条約と海外での植物の新品種に対する権利の保護
  品種保護Gメンの活動
  (a)  品種保護Gメン設置の経緯
  (b)  品種保護Gメンの活動
  (c)  品種保護Gメンの活動状況
  (d)  登録品種のさく葉標本・DNA標本等の保存
  行政争訟手続と判例解説
  (a)  品種登録がその要件を欠く場合の対抗手段
  (b)  りんどう(芸北の晩秋)事件
  (c)  キリンソウ事件
  (d)  エリンギ(ホクト2号)事件
  (e)  なめこ事件
Ⅲ 地理的表示
  地理的表示とは
  地理的表示法の概要
  (a)  地理的表示保護制度の大枠
  (b)  地理的表示保護制度の概要
  地理的表示法の改正とその概要
  (a)  法律改正の目的とその効果
  (b)  外国の地理的表示の審査手続
  (c)  指定の効果
  (d)  その他の改正(輸入業者に対する取締り)
  海外における地理的表示保護の対策
  (a)  国際協定における地理的表示
  (b)  知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)
  (b)  TRIPS協定における地理的表示
  (c)  各国のGI制度
  我が国における酒類のGI保護
  (a)  制度沿革
  (b)  制度概要
  (c)  地理的表示の指定までの流れ
Ⅳ 不正競争防止法
  不正競争防止法とは
  事例から掴む不正競争防止法のイメージ
 ~自らの“知的財産” を守るための観点から~
 ケース1:自社の牛乳に良く似た名前の乳製品が販売されている!
  (a)  想定事例
  (b)  不正競争防止法における措置
  (c)  どのような法的保護が受けられるか
 ケース2:人参のパッケージデザインが真似されてしまった!
  (a)  想定事例
  (b)  不正競争防止法における措置
  (c)  どのような法的保護が受けられるか
 ケース3:自社の商品をおとしめるデマが流された!
  (a)  想定事例
  (b)  不正競争防止法における措置
  (c)  どのような法的保護が受けられるか
 ケース4:農協が販売するお菓子の製造ノウハウが流出?
  (a)  想定事例
  (b)  不正競争防止法における措置
  (c)  秘密情報の流出を防ぐためには
 ~意図せず法令違反になる可能性も!?~
 ケース5:ファッションブランド名を冠したスイカの販売?
  (a)  想定事例
  (b)  法令違反となり得る対象
  (c)  法令違反にならないための防止策
 ケース6:野菜ジュースの謳い文句、ビタミン量の根拠は大丈夫?
  (a)  想定事例
  (b)  法令違反となり得る対象
  (c)  法令違反にならないための防止策
ケース7:外国の国旗や国際機関の標章を使用したい!
  (a)  想定事例
  (b)  法令違反となり得る対象
  (c)  法律違反にならないための防止策
  いざという時のために
  (a)  不正競争防止法における救済措置
  (b)  営業秘密・知財戦略相談窓口 ~営業秘密110番~
  不正競争防止法の農林水産業・食品産業での活用について
  (a)  農林水産業・食品産業における不正競争防止法違反の裁判例
  (b)  今後、農水知財分野で期待される取組

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第3章 水際措置の実情
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Ⅰ 知的財産侵害物品の水際取締制度の解説
  概要
  税関による水際取締りの対象
  (a)  知的財産権侵害物品
  (b)  不正競争防止法違反物品
  認定手続
  (a)  概要
  (b)  通常手続(第3-2図参照)
  (c)  簡素化手続
  差止申立制度
  (a)  概要
  (b)  差止申立手続(第3-3図参照)
  (c)  差止申立書及び添付資料等
  (d) 審査期間
  (e) 現状
Ⅱ 代理人としての水際対応の実務
  税関による水際取締手続の概要
  輸入差止申立て
  (a)  事前準備
  (b)  管轄
  (c)  事前相談
  (d)  輸入差止申立書及び添付書類
  (e)  並行輸入品に対する輸入差止の問題
  (f)  審理
  (g)  受理・不受理の決定
  (h)  不受理に対する不服申立て
  輸入差止申立てにおける専門委員の意見照会
  (a)  専門委員意見照会
  (b)  スケジュールと事前準備
  (c)  専門委員意見照会の手続
  認定手続
  (a)  簡素化手続
  (b)  通常手続
  我が国の水際措置のメリットと海外の制度について
  (a)  知的財産侵害物品の差止実績
  (b)  諸外国での知的財産権の保護対象
  (c)  我が国における水際措置のメリット

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第4章 農水知財の今後の制度課題
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Ⅰ 農水省の所管する知的財産法の制度面の課題
  種苗法の課題
  (a)  外国人の権利の享受の見直し
  (b)  現物主義の見直し
  (c)  自家増殖の原則禁止への転換
  (d)  栽培試験機関・栽培試験の費用徴収のあり方
  地理的表示保護法
  (a)知的財産法としての地理的表示法
  (b)  地理的表示法と司法救済
  (c)  地理的表示法の保護の対象
  (d)  商標との関係
Ⅱ 農業のノウハウの保護
  ノウハウの重要性
  農水省の対応
Ⅲ 農林水産知財の相談体制等の充実

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第5章 相談体制の充実
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Ⅰ 経済産業局等知的財産室の紹介
 主な事業概要
  知的財産に関する相談のワンストップサービス
  地域ブランドに関する支援
  地域における知的財産の総合的支援の展開
  その他
Ⅱ 知財総合支援窓口における支援
  設置目的、経緯
  支援の概要
  (a)専門家による支援
  (b)様々な機関との連携支援
  (c)  具体的支援事例
  INPIT総合支援窓口の機能強化
  (a)  知財・標準化戦略の立案支援
  (b)  農林水産物のブランド化の促進支援
Ⅲ 弁護士の農水法務支援チームの活動紹介
  日弁連知的財産センターと弁護士知財ネット
  「農水法務支援チーム」の創設
  法務支援の対象分野 423
  林業分野について-林業の課題と法曹の関与
  (a)  林業経営の集約化
  (b)  林業経営の現状
  (c)  集約化への課題と対応
  (d)  林産業について
  (e)  おわりに
  「農水法務支援チーム」の活動

後書き 農林水産省食料産業局知的財産課長 杉中 淳

農水知財基本テキスト編集委員会委員一覧表

知財ネット出版準備委員会並びに出版プロジェクトサポートチームメンバー一覧表

ISBN:9784806530046
出版社:経済産業調査会
判型:A5
ページ数:500ページ
定価:4900円(本体)
発行年月日:2018年02月
発売日:2018年02月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:KCVD