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イスラーム圏ビジネスの法と実務

編著:イスラムビジネス法研究会
編著:西村あさひ法律事務所

紙版

内容紹介

現在、「アラブの春」の夢こそ砕け散ったものの湾岸産油国、産ガス国の経済成長発展には目を見張るものがあり、イスラーム圏としてみればマレーシア、インドネシアの発展、繁栄には、目を離せません。

そこで本書では、第Ⅰ部は、これまでイスラームやイスラーム圏と関係の薄かった読者に、イスラームの考え方や過去の経済やエネルギー分野での係りについて知的な関心を抱いていただくための内容を掲載。第Ⅱ部は、イスラームビジネスの理念についてまとめており、第Ⅲ部では、より実務的な情報として、実際の制度や法律についての解説を中心に記述。第Ⅳ部は、イスラームがビジネスという形態で実践されている分野として代表的なイスラーム金融について、実務家、法律家、研究者等によりその詳細を記述。第Ⅴ部では、イスラームビジネスのより広範な制度や経済環境について弁護士や官僚によりその実情を紹介しております。

本書は初学者にもわかり易く、かつ、専門家の方にも新しい発見があり、大変な知的刺激を与える内容となっております。中東地域、東南アジア地域等のイスラーム圏においての企業活動や経済協力の際の必読書。世界人口の四分の一を占めるムスリムの市場の扉を開く一冊です。

目次

第Ⅰ部 イスラーム圏ビジネス序説
第1章 サウジアラビア・クウェートとのビジネス体験 小長啓一
第2章 シャリーアに基づく禁忌・禁止の法社会学的考察 片倉邦雄
第3章 中東の地殻変動と日本外交 向賢一郎
資料:ムスリム人口比とムスリム人口(2010年末現在) 福島康博

第Ⅱ部 イスラームのビジネス理念
第4章 イスラーム法はいかにして経済的自由を支えるのか 奥田敦
第5章 グローバル市場経済の精神とイスラームの経済倫理 奥田敦
第6章 イスラーム契約法の基礎 柳橋博之
第7章 イスラーム法における契約の履行確保について 柳橋博之
第8章 現代世界におけるイスラーム経済の再興─その知的伝統とダイナミズム 長岡慎介
第9章 現代イスラーム経済論の新潮流─そのビジョンと挑戦 長岡慎介
コラム1:グローバル化を目指す日本企業と中東・北アフリカ地域 香田忠維

第Ⅲ部 イスラームビジネスの法と制度
第10章 ビジネスとイスラーム法 富岡幸喜
第11章 サウジアラビアの法制度─イスラーム法と実定法 富岡幸喜
第12章 サウジアラビアの法律・司法制度─最近の司法改革を巡って 田中民之
第13章 アラブ首長国連邦(UAE)の法制度 川上嘉彦、五十嵐チカ
コラム2:カタールの現状と同地でのビジネスについて 北爪由紀夫

第Ⅳ部 イスラーム金融
─確立されたビジネスの実践事例─
第14章 グローバル・イスラーム金融市場の俯瞰 吉田悦章
第15章 イスラーム金融のスキーム紹介 斎藤創
第16章 イスラーム金融実務におけるシャリーア審査 吉田悦章
第17章 サウジアラビアにおけるイスラーム銀行の展開とその課題 福田安志
第18章 イスラーム金融はなぜ広がるか 武藤幸治
コラム3:中東湾岸産油国の40年間
    ─第1次オイル・クライシス前年から現在までの驚異的変貌 木下宇一郎

第Ⅴ部 イスラーム各国のビジネス環境
第19章 サウジアラビア投資環境
    ─外国投資規制の概要・サウジアラビア会社法の実務─ 小野傑、松下由英
第20章 オマーン会社法の実務─会社設立及び運営 石田康平
第21章 マレーシアにおけるハラール認証制度とハラール食品産業 福島康博
第22章 革命後のイラン:
    革命・戦争から核問題へ、そして対米関係改善か? 鈴木均
コラム4:日本イラン交渉史 大宮正

おわりに 吉田悦章

ISBN:9784806529378
出版社:経済産業調査会
判型:A5
ページ数:400ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2014年07月
発売日:2014年07月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KFF