中央大学政策文化総合研究所研究叢書 27
近現代中国と世界
編著:土田 哲夫
編著:子安 加余子
紙版
内容紹介
中国は今なお東アジアないし世界において存在感を強めている。経済力・軍事力・科学技術力、どれをとっても世界がたえず注視し続けるだろう。本書は東アジアを超えて中国といかに互恵関係を築けるかという課題のもと、文化・思想・政治・国際関係など多様な側面から近現代中国の諸相を読み解いた力作を集める。論文内容は、近代中国における「言論の自由」・日本人の中国語認識・中国伝統医学は科学か否か、という思想的アプローチによる分析や、袁世凱帝政、段祺瑞政権、国民外交団体の内実、人民大会といった歴史的アプローチを取るもの、さらに国際政治学から現代米中関係を論じたものまで幅広い。中国を巨視的に捉えるための必読書といえる。
目次
第1章 近代中国における「言論の自由」研究のための覚書
第2章 何盛三の中国語認識
―日本より見た20世紀前半の「官話」とその変容―
第3章 中国伝統医学は科学か迷信か
―江紹原による民俗学的アプローチの検討―
第4章 袁世凱帝制再考
第5章 安徽派と第2回国会
第6章 近代中国の国民外交団体
―中国国際聯盟同志会の事例―
第7章 第1期陝甘寧辺区参議会の研究
―民主主義と自由主義をめぐって―
第8章 現代米中関係の構造変容と習近平政権
[資料1] 制憲国民大会略論
[資料2] 元広島市立大学広島平和研究所所長 浅井基文インタビュー