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『金剛頂経』入門

新装版

即身成仏への道

著:頼富 本宏

紙版

内容紹介

金剛界マンダラの典拠となる『金剛頂経』は、胎蔵マンダラの典拠となる『大日経』と並ぶ日本密教の根本聖典で、特に密教の「即身成仏」(この身このままで仏になる)の原理を明確に説いた経典とされている。 本書は、今まで比較的紹介されることが少なかったこの経典の全体像を、密教の専門家として名高い著者が、日本はもとよりアジア各地を視野に入れて読み解く。

目次

序章 金剛頂経への招待
■身の回りの金剛頂経―現代に生きるその姿
■「金剛」とは何か―金剛頂経のキーワード

第一章 金剛頂経とは何か
■金剛頂経の成立前夜―玄装三蔵と大日経
■金剛頂経の成立―生み出された時代と場
■金剛頂経という経典群―梵・漢・蔵の諸テキスト
■金剛頂経の構成―密教システムの概要

第二章 金剛界マンダラの出生
■金剛頂経における大日如来―そのさまざまなありかた
■成仏を説く五相成身観―五段階の即身成仏法
■金剛界マンダラの出生(1)―中軸となる五仏
■金剛界マンダラの出生(2)―四仏を補佐する十六大菩薩
■金剛界マンダラの出生(3)―四仏のさとりの「印」・四波羅蜜菩薩
■金剛界マンダラの出生(4)―八供養菩薩による相互供養
■金剛界マンダラの出生(5)―マンダラを守護する四摂菩薩
■金剛界・大マンダラの完成―成身会のすばらしい世界

第三章 秘密の世界ヘ
■マンダラに入る灌頂の儀礼―讃歎とマンダラ建立
■灌頂の具体的な作法―花を投げて仏を得る
■金剛頂経の悉地観―この経典の効き目
■「秘密法」の世界―後期密教への出発点
■四印と四曼―ほとけを表す四種の方法
■さまざまな実践儀礼―百字真言と四智梵語

第四章 金剛界マンダラの展開
■第二番目のマンダラ―三昧耶会・金剛秘密マンダラ
■第三・第四のマンダラ―微細会と供養会
■第五・第六のマンダラ―四印会と一印会

第五章 明王と菩薩のマンダラ
■降三世品の密教―降伏のほとけ・降三世明王
■遍調伏品の意義―密教的観音のマンダラ
■一切義成就品へ―虚空蔵菩薩のマンダラ

第六章 金剛頂経のほとけたち
■密教菩薩の代表・金剛薩た―その意義と図像
■マンダラを守護するほとけたち―四大明王と二十天

第七章 金剛頂経の広がり
■中国の金剛頂経(1)―現在の密教教義と実践の確立
■中国の金剛頂経(2)―二つの珍しい金剛界マンダラ
■空海と金剛頂経―日本密教におけるその位置づけ
■アジア各地の金剛頂経(1)―雲南・韓国と敦煌
■アジア各地の金剛頂経(2)―インドネシアとチベット
■金剛頂経以降の密教展開―理趣経、そして後期密教へ

第八章 現代と金剛頂経
■金剛頂経の可能性―「聖なるもの」との合一を目指して
■あとがき
■参考文献

著者略歴

著:頼富 本宏
昭和20年、香川県に生まれる。京都大学大学院文学研究科(仏教学)博士課程修了。文学博士。種智院大学教授、国際日本文化研究センター教授を経て、現在、種智院大学学長。
主要著作に『中国密教の研究』(大東出版社)、『密教仏の研究』『わたしの密教』『あなたの密教』(法蔵館)、『密教仏像図典』(人文書院)、『曼荼羅の鑑賞基礎知識』(至文堂)、『密教』(講談社現代新書)、『空海と密教』(PHP研究所)、『密数とマンダラ』(NHK出版)『すぐわかる図説マンダラの仏たち』(東京美術)など.

ISBN:9784804614236
出版社:大法輪閣
判型:4-6
ページ数:392ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2020年03月
発売日:2020年03月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QRVA