出版書誌データベース

江戸時代の曹洞宗禅者・天桂伝尊は、生涯を通じて儀軌に基づく形式的仏教を否定し、仏道は「心」の究明に尽きると理念的探求を行った。その思想について論じ、天桂の全体像を明らかにする。

序論
本論

第一行業篇
• Ａ 第一章 天桂伝尊の伝記
o 第一節 『天桂年譜』
o 第二節 天桂伝尊とその門下の人々
• Ｂ 第二章 天桂伝尊の著作
o 第一節 天桂による撰述書

第二 思想篇
• Ｃ 第一章 本質論
o 第一節 心の主張−広義の心と狭義の心−
o 第二節 思想背景としての心
• Ｄ 第二章 仏性観
o 第一節 天桂の仏性観
• Ｅ 第三章 見性成仏観
o 第一節 天桂の臨済弁護について
o 第二節 天桂の見性成仏観
• Ｆ 第四章 五位思想
o 第一節 『重編曹洞五位』について
o 第二節 天桂の五位思想−『洞上五位弁的』について−
o 第三節 天桂伝尊の『五位逐位頌』解釈−天桂著『洞上五位弁的』の注解書を中心として−
• Ｇ 第五章 修行論
o 第一節 疑団と本来成仏論
o 第二節 天桂伝尊の時間論
o 第三節 天桂伝尊における修行の意義
o 第四節 天桂の形式的修行否定とその背景−在家成仏の可能性−
o 第五節 天桂伝尊における在家教化
o 第六節 天桂の坐禅観
• Ｈ 第六章 嗣法論
o 第一節 江戸期における洞門嗣法制度−貞享三年の「伽藍法」法制化問題
o 第二節 天桂伝尊と嗣法問題−五峰海〈開〉音と天桂の嗣法について−
o 第三節 天桂伝尊と嗣法論−天桂の開山法重視と借住について−
o 第四節 天桂の嗣法関係資料−静居寺世代牌問題−
o 第五節 天桂の嗣法論−権実論の展開−
o 第六節 午庵道鏞の天桂批判（Ⅰ）−午庵の訴状をめぐって−
o 第七節 午庵道鏞の天桂批判（Ⅱ）−午庵の訴状に対する天桂側陳情資料−
o 第八節 徳翁の大乘寺退院問題について
o 第九節 徳翁良高の嗣法について−『西来和尚蔵跡由来』を中心として−
• Ｉ 第七章 経典・公案・戒律観
o 第一節 天桂伝尊の経典観
o 第二節 天桂伝尊と『首楞厳経』・『円覚経』について
o 第三節 天桂の公案観
o 第四節 天桂の戒律観
• Ｊ 第八章 天桂の『正法眼蔵』観
o 第一節 『正法眼蔵』について
o 第二節 天桂伝尊の『正法眼底』研究−研究の初期段階を中心として−
o 第三節 天桂の『正法眼蔵弁註』草稿本を中心として
o 第四節 天桂の『正法眼蔵』参究に関するメモ

第三 交流篇
• Ｋ 交流章
o 第一節 独庵玄光との交流と断絶
o 第二節 天桂伝尊と盤珪永琢について
o 第三節 天桂と同時期の禅僧−無著道忠−

• 結論

著：志部　憲一
昭和23年6月27日　栃木県足利市生
昭和54年3月　 駒澤大学大学院 博士後期課程 単位取得退学
平成15年3月　 博士（仏教学）取得 駒澤大学
平成21年10月　曹洞宗総合研究センター副所長 就任
平成31年4月　 曹洞宗総合研究センター所長 就任