はじめに 受けとめるチカラ
序章 「お終い」を「お仕舞い」に
トランジットとターミナル
我儘と無垢のあいだ
老いの初心
一章 ターミナルアートの起源
境界神テルミヌスとの出会い
「ターム」(時間、関係、言葉)、アートの三元素
エラスムスの分身として
レジリエンスの体現者
二章 もうひとつの時間
ジョルジョーネの『老婆』、「時間とともに」
「砂の微分」
「アートな感覚時間」
わたしだけに止まる「今」
記憶のなかの時間軸
世界終末時計とホスピス
三章 「生命」と「いのち」の関係
「死に目」が「創り」となる
出会いという導師
新型コロナの教訓、「死を正しく恐れる」
「死に場所難民」の行方
医療と芸術の共有地
「ゲスト」と「ホスト」
ミラーボールと心電図
「SLGs」(持続可能なライフ)にむけて
四章 こころを通わせる言葉
「home」が美しいのはなぜか
ティータイム、包まれる幸せ
キャッチングから蘇ることば
ホスピスを夢見た俳人、正岡子規
最後に帰るところ、それは笑い
「ふるさと」と「旅の者」
五章 なぜケアがアートに憧れるのか
快楽が痛みになる時代
「ホームとは分割から免れているところ」
「赤い家」はケアハウスであった
ウィリアム・モリスの手仕事
「もてなしとは相手の傷を感じること」
こころの目にもサングラス
「後衛アーティスト」がひらくケアの時代
六章 ターミナルアーティストの告白
─イタリアのホスピスで─
「アートって愛することでしょ」
ケアの職人を育てるまち
ボランティアが「アーティスト」に
感動を持ち寄るコムーネ、「外に出た家」
ホスピスを「安楽死」の場所にしない
そのままを聞いてくれるひとがいる
―バウンダリーに立つ美大生―
「恵まれた患者」たち
消える風景画、生まれ変わるわたし
「手で考え、こころでつくる」、ものづくりの心得
命の重さを感じるデザイン
制約を創造に変えた、チャールズ・イームズの慧眼
「クルリンパ」、もうひとつの天地創造
―「本当の嘘」がうまれるところ─
竹のレジリエンス、受けとめの美技
尺八の超絶技巧、永遠の「息盗み」
「明るい農村」は、アグリセラピーから
「自耕・自養・自創」のすすめ
痛みを溶かすローソク・ショー
ハーフパイプの「横乗り」から「横超」へ
クローン人間に「愛の記憶」はあるか
終章 美しい生活
手のひらにとまる蝶
人生という作品の仕上げに
あとがき
参考文献