出版社を探す

放送法と権力

著:山田 健太

紙版

内容紹介

高市早苗総務相の「電波停止」発言、あるいは「放送法遵守を求める視聴者の会」の新聞全面広告など、誤解が誤解を生みつつある放送法……その正確な意味を伝えつつ、報道の自由度の世界ランクが72位まで下落したこの国の「言論の自由」の危機がどこに由来するのかを、メディア論の第一人者が冷静沈着に論じきった唯一無二の論考。今後のジャーナリズムを考えるに当たって避けては通れない一冊!

目次

はじめに――放送はだれのものか

第一章 報道圧力
報道の自由をいかに守るか
言論・表現の自由の現在
国益と言論

第二章 言論の不自由
秘密保護法にあらわれる政府の情報隠蔽構造
取材の自由と特定秘密保護法
秘密保護法時代に立ち向かう視点

第三章 放送の自由
「自主規制」という名の言論統制
戦後の放送ジャーナリズムをとらえ直す
NHKの公共性を考える
放送と通信の融合状況における「放送」

第四章 政治的公平の意味
言論封殺のための「言論の自由」は存在しない
メディアにおける「公平公正」とは何か
総務相「電波停止」発言にみる「強面行政」

第五章 デジタル時代のメディア
作家の「書く自由」と読者の「読む自由」
〈知の公共空間〉をいかに構築するのか
公共性と出版の自由

終 章 市民力が社会を変える
ヘイトスピーチにどう向き合うか
大規模災害における市民とマスメディア

おわりに――情報の歪みは民主主義を歪める

著者略歴

著:山田 健太
山田 健太(やまだ けんた)
1959年、京都生まれ。専修大学ジャーナリズム学科教授。専門は言論法、ジャーナリズム研究。日本ペンクラブ専務理事、放送批評懇談会、自由人権協会、情報公開クリアリングハウスなどの各理事、世田谷区情報公開・個人情報保護審議会委員長などを務める。日本新聞協会職員(英国エセックス大学人権法研究所訪問研究員、新聞研究所研究員、日本新聞博物館学芸員)を経て、2006年より専修大学。 主な著書に『沖縄報道──日本のジャーナリズムの現在』(ちくま新書)、『法とジャーナリズム 第3版』(学陽書房)、『放送法と権力』(田畑書店)、『言論の自由──拡大するメディアと縮むジャーナリズム』(ミネルヴァ書房)、『ジャーナリズムの行方』(三省堂)、『3・11とメディア――徹底検証 新聞・テレビ・WEBは何をどう伝えたか』(トランスビュー)、『現代ジャーナリズム事典』(三省堂、監修)、『よくわかるメディア法 第2版』(ミネルヴァ書房、共編)、『放送制度概論──新・放送法を読みとく』(商事法務)、『政治のしくみと議員のしごと』(トランスビュー、共編著)、『3・11の記録』(日…

ISBN:9784803803389
出版社:田畑書店
判型:A5
ページ数:343ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2016年10月
発売日:2016年11月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNTP2