近代都市と絵画
編:坂上桂子
紙版
内容紹介
都市の表象が映すもの
近代美術の歴史は、近代都市の成立と軌を一にしていた。芸術の都パリは、19世紀の大改造を抜きには語れず、都市生活が新たな視覚と感性を画家にもたらし、印象派以降の潮流が生まれた。かたやニューヨークでは、高層ビルに象徴される巨大な時空間が、前衛芸術の伸長を促した。二大都市で活躍した画家に焦点を当て、都市と芸術の創造的関係を探る。
目次
まえがき
第1章 印象派のパリ――モネ,ルノワール,カイユボットらが描くオスマンのパリ 坂上桂子
第2章 無秩序なるパリ――ピエール・ボナールのクリシー広場 吉村真
第3章 モーリス・ドニとパリ――20世紀の公共建築装飾にみる都市 森万由子
第4章 マリー・ローランサンとパリの外国人コレクターたち――収集家の動向から読み解く画家の魅力 由良茉委
第5章 ニューヨークの表象――パリからニューヨークへ 坂上桂子
第6章 ジョージア・オキーフ作《ラジエター・ビル――夜、ニューヨーク》についての一考察――1920年代の芸術家の交流を手掛かりとして 玉井貴子
第7章 岡田謙三の「抽象」――パリとニューヨークの経験を中心に 誉田あゆみ
第8章 河原温〈Today〉シリーズの再考――1966年の《ジャーナル》の読解をつうじて 桝田倫広
あとがき