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ボードレール 詩と芸術

著:中地義和

紙版

内容紹介

〈一枚の絵の最良の解説は、一篇のソネあるいはエレジーであるかもしれない〉
近現代詩を開拓した詩人ボードレールは、近代芸術批評の起点に立つ批評家でもあった。
日仏の研究者・作家が協同し、美術や音楽と共鳴しつつ深化するボードレールの詩学と、さらには女性観の考察を通じて、詩人の創作原理の真髄に迫る。

目次

Ⅰ ボードレールと美術

反現代生活の画家
アントワーヌ・コンパニョン(畠山達訳)

ボードレールとポスト・レアリスムの画家たち
三浦篤

マネに捧げられた散文詩「紐」をめぐって
吉田典子

パンギィ゠ラリドンを読むボードレール
ジャン゠リュック・ステンメッツ(鈴木和彦訳)

ボードレールとベルギーの美術
アンドレア・スケリーノ(鈴木啓二訳)

ボードレールと「未開」の芸術
オーレリア・セルヴォーニ(吉村和明訳)

Ⅱ ボードレールと音楽

ボードレール批評における音楽
中地義和

ボードレールと音楽――ヴァーグナーの場合
アンリ・セッピ(中地義和訳)

Ⅲ ボードレールの詩学

〈サラ〉から〈ジャンヌ〉へ――初期ボードレールにおける詩の形成
吉村和明

「屑屋たちの葡萄酒」制作の舞台裏――「バッコスの凱旋」が意味するもの
畠山達

形見としての換喩――「バルコニー」読解
鈴木和彦

奇妙な友愛的平等
岩切正一郎

現代生活と伝達不可能性――「貧しい者たちの眼」をめぐって
鈴木啓二

ボードレールとアルフレート・レーテルの「反動的な詩篇」
冨成信

Ⅳ ボードレールと女性

ボードレールの女性観――その一元性と多元性
平野啓一郎

ボードレールと女性同性愛
中島淑恵

ボードレールの遅さ
松浦寿輝

Ⅴ ボードレール受容

国境を越えるボードレール――最初の徴
アンドレ・ギュイヨー(冨成信訳)

日本文学の近代化とボードレール――中村光夫・河上徹太郎・小林秀雄の場合
海老根龍介 

シャルル・ボードレール略年譜(1821―1867)
読書案内

人名索引

著者略歴

著:中地義和
日仏会館副理事長・東京大学名誉教授(フランス文学)。著書に、『ランボー 自画像の詩学』(岩波書店、2005年)、訳書に、『対訳 ランボー詩集』(編訳、岩波文庫、2020年)、アントワーヌ・コンパニョン『近代芸術の五つのパラドックス』(水声社、1999年)などがある。

ISBN:9784801006997
出版社:水声社
判型:A4
ページ数:351ページ
定価:6000円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年04月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC