絵葉書Ⅱ Ⅱ
著:ジャック・デリダ
紙版
内容紹介
デリダによるフロイト・ラカン論
フロイト『快原理の彼岸』の未曾有の読解を提示し、ラカンの『盗まれた手紙』読解における「真理」概念を徹底的に批判して、精神分析における郵便的転移の可能性を、ルネ・マジョールとの対話形式で探る画期的な書。明解な日本語による待望の翻訳。
目次
思弁する――「フロイト」について
1 警告
無‐テーゼ
私は私たちに/を書く
一、二、三――終わりなき思弁
2 フロイトの遺産
自伝の「同じ屋根」
諸解釈の配偶関係
「分析セッションは続く」(発信者への回帰、電報=遠隔書記と娘婿たちの世代)
3 パラリーズ
地帯、郵便局、名を担い運ぶ理論
死の配達人/郵便物
遺産相続の不正取引――プラトンの負債
4 七、追伸
支払不能なもの――郵便の効果
フロイトの背後のプラトン
Fort : da、リズム
真理の配達人
盗まれた動機
明らかすぎること、あるいは自らの場所に欠けていること
(無–)視点――女性のセクシュアリティーに代わる〔の場における〕真理
第一の第二者――フロイトの手になる手紙の真理
出会いの場――王の二重の四角形
「まったく」あるいは「すべて」について