出版社を探す

四月はいちばん残酷な月

著:佐藤亨

紙版

内容紹介

現代詩の金字塔『荒地』から一世紀。
エリオットについて、知れば知るほどいいことだ。
ーエズラ・パウンドー

目次

荒地/T.S.エリオット/佐藤亨訳
エリオット,悲喜こもごも/中井晨

Ⅰ 1922年の『荒地』,2022年の『荒地』

パンデミックの陰/田口哲也
軽やかなる変奏――『荒地』におけるパスティーシュの作法/山本勢津子
旅人よ,道なき道を歩め――「英雄の旅」としての『荒地』と「ヒューマニズム」/瀬古潤一
1922年秋,ケインズは『荒地』を朗読した/佐藤亨

Ⅱ 『荒地』を読む

「死者の埋葬」冒頭18行再読/山口均
『荒地』の音を聞く/太田純
『荒地』における“Shantih shantih shantih”/林依里子+ターマ・メブケ
砂漠に咲く花を求めて――植物からのアプローチ/鈴木綾子
スウィーニーはパルジファルか?/松本真治

Ⅲ 『荒地』とモダニズム

〈黄泉降り〉の物語から〈祈りのうた〉へ――エリオット、パウンド、ジョイスの響き合い/池田栄一
前衛の誘惑――『荒地』の後衛性について/米澤光也
「神話的手法」がもたらしたもの――『ユリシーズ』を読むエリオット/小原俊文

Ⅳ 『荒地』と日本,日本と『荒地』

冷戦下に広がる荒地――プリント・カルチャーと詩人の役割/出口菜摘
日本の戦後詩壇の出発とパウンド/エリオット――鮎川信夫「アメリカ」の射程/田口麻奈

Ⅴ エリオットを問う

スピードという現代美学と17世紀形而上詩/圓月勝博
「あなた」と「わたし」について語ること――霊媒の詩人としてのエリオット/井上和樹
エリオットの中のアンドロギュノス的なもの/佐伯惠子

Ⅵ エリオットを追う

パウンド,オルソン,エリオットの「天国」/平野順雄
『荒地』のテキストを万人に開く/齋藤純一
英国ヨーク、1999年から2000年、思い出すままに/進藤秀彦

Ⅶ 『荒地』,ふたたび

『荒地』を荒地にするもの――ヨーロッパ退化論と優生思想/野谷啓二
T.S.エリオット 1922年ビフォー&アフター/松本真治
作品一覧(詩と詩劇)/平野順雄

現代詩の古典としての『荒地』/佐藤亨

著者略歴

著:佐藤亨
1958年生まれ。現在,青山学院大学経営学部教授。著書に『異邦のふるさと「アイルランド」――国境を越えて』(新評論、2005年)、『北アイルランドを目撃する』(水声社、2021年)、『アウラ草紙』(七月堂、2022年)などがある。

ISBN:9784801006874
出版社:水声社
判型:A5
ページ数:452ページ
定価:6000円(本体)
発行年月日:2022年12月
発売日:2022年12月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC