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ドン・キホーテとフィクションのアウトサイダーたち

著:田林洋一

紙版

内容紹介

〈アウトサイダー〉としてのドン・キホーテ
騎士道の英雄を目指し、常識的な人生行路を外れ、〈狂人〉として孤独に突き進んだドン・キホーテを、『ライ麦畑でつかまえて』、『異邦人』、『審判』
といった海外文学から、漫画、アニメまで、大衆の秩序から離脱し、疎外され、周縁をさまよう様々なキャラクターたちと比較し、〈アウトサイダー〉という切り口からこの〈読まれない古典的名著〉に挑む。

目次

序 『ドン・キホーテ』とアウトサイダー

第一章 アウトサイダーとは何か
第二章 英雄としてのドン・キホーテ――出立前の「ドン・キホーテ」との相違
第三章 「常識」に捉われる人々――常識と非常識、そしてアウトサイダー
第四章 放浪するアウトサイダー――「神」としてのドン・キホーテ主従とホールデン・コールフィールド
第五章 『ドン・キホーテ』と『ライ麦畑でつかまえて』の思い姫――求め続けるイノセンス
第六章 排斥されるアウトサイダー――カミュの『異邦人』との比較を通して
第七章 不条理、世間とのずれ――境界にいる『ドン・キホーテ』
第八章 もう一つの不条理――遺棄された者と周縁的な大衆
第九章 見捨てられた者たち――遺棄された存在としてのドン・キホーテ主従

結び 孤独な英雄――はみ出し者で、無世界にいるドン・キホーテ

著者略歴

著:田林洋一
1975年、埼玉県大宮市(現さいたま市)に生まれる。上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業。上智大学大学院外国語学研究科言語学専攻博士前期課程修了。言語学修士。清泉女子大学大学院人文科学研究科人文学専攻博士後期課程修了。博士(人文学)。立教大学兼任講師、東京大学非常勤講師、小樽商科大学言語センター准教授を経て、現在、東北大学高度教養教育・学生支援機構准教授。主な著書に、『『ドン・キホーテ』に潜む狂気――正気を失ってしまったのは誰か』(水声社、2020年)などが、主な論文に、「スペイン語のse le V 構文の制約と日本語の間接受身の比較――責任と意図性を中心に」(『東北大学高度教養教育・学生支援機構紀要』第6号、2020年)などがある。

ISBN:9784801006652
出版社:水声社
判型:4-6
ページ数:359ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2022年10月
発売日:2022年10月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB