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世界は単位と公式でできている

著:福江 純

紙版

内容紹介

力(N)の単位は質量(kg)×加速度(m/s^2)だからkgm/s^2です。エネルギー(J)は力(N)×距離(m)だからkgm^2/s^2となります。
このように「単位を見れば公式がわかり」ます。またその逆で、「公式を見ればその単位もわかり」ます。7つのSI 基本単位を元にあらゆるものが組立単位で表現でき、そしてその単位を元に、世界の理である公式が導かれています。本書では、読者自ら「単位から公式を導き」「公式から単位を知り」ます。難しくはありません。たとえば、地球の質量と半径からg(ジー)を算出したり、地球からの脱出速度を計算したり、世界一有名な数式「E=mc^2」を単位の視点から導いてみたりします。簡単な計算によって、世界の理を導出してみてください。

目次

第1章 世界を測定し理解する方法 —単位と公式
1 世界の測り方
2 座標系は与えられるモノではなく与えるモノ
3 世界の在り方
4 世界を測り公式を導いて世界の在り方を理解する
5 国際単位 SI
6 単位の換算の極意は比(分数)にあり
7 単位に限らず比(分数)は大事
8 公式の活用法
9 単位と次元と次元解析について

第2章 地球の周囲は“ちょうど”4万 km —時間、空間、運動
10 1年の秒数はいくつ?
11 閏年はどう決まる?
12 地球の周囲は“ちょうど”4万 km
13 6畳は何平方メートル?
14 空間は縦横高さの3次元
15 時間の単位と長さの単位を組み合わせる
16 複数の単位で公式を組み立てる
17 速さの変化の割合が加速度
18 円運動の加速度を求める
19 真空中の光速度
20 星までの距離を測るには
21 道のりの計算から宇宙の年齢へ

第3章 単位を駆使して公式を導こう —質量、力、エネルギー
22 爪楊枝1本の重さは何グラム?
23 鉄を燃やすと重くなる
24 いまいちピンと来ない力の単位
25 単位を合わせて運動の法則を導ける!?
26 万有引力定数の単位はどうなる?
27 万有引力から地上のg(ジー)を導ける
28 遠心力と地球の公転速度を求めよう
29 さまざまなエネルギーがあれど単位は1種類
30 エネルギーを仕事として公式に乗せる
31 運動エネルギーにはどうして1/2が付くのか
32 位置エネルギーと重力エネルギーは同じもの
33 運動エネルギーと位置エネルギーの和は一定
34 天体からの脱出速度を求めてみる
35 星の世界は太陽を基準にすると便利
36 ブラックホールの半径ふたたび

第4章 低いドは何ヘルツ —振動、波動、音、光
37 毎秒でよさそうなのにヘルツがあるワケ
38 世の中は波だらけ
39 空気中の音速は温度で決まる
40 音の速さを超えるとどうなる?
41 音の調べに潜む先人の経験則
42 ギターの弦をつま弾けば、そこにも法則あり
43 振動の基本の基本は単振動
44 振り子時計も単振動
45 雷までの距離と震源までの距離
46 みんながだいたい知っているマグニチュードと震度の違い
47 深い水を伝わる波
48 浅い水を伝わる波
49 日焼けは紫外線のエネルギーが高いため起こる
50 もっとも有名な式を単位から眺める

第5章 苦手な電気磁気を単位で攻略する —電気、磁気、電磁気
51 クーロンってどれぐらい強い?
52 じゃぁ、ウェーバーはどれぐらい強い?
53 電荷と電荷の間には逆2乗の法則が成り立つのだ
54 磁荷と磁荷の間にも逆2乗の法則が成り立つのだ
55 電荷からは四方八方に電気力線が延びていると考えよう
56 磁荷からは四方八方に磁力線が延びていると考えよう
57 重力エネルギーのように電場のエネルギーも考えてみる
58 地表近くの重力ポテンシャルに似ているのが電位
59 電位と電圧は何が違うの?
60 電荷の流れが電流、でも磁荷の流れはない
61 生活に必須な電流と電圧と電力の関係
62 危険! タコ足配線にはご注意を
63 電気の流れが磁場をつくる
64 磁場の変化が電気を起こす
65 クーロンの法則の係数に潜む自然の基本定数

第6章 物質の性質の単位と法則 —物質量、温度、圧力、エネルギー量
66 物質の量を表すのは質量だけではない
67 密度アラカルト
68 物質の状態に関わる基本定数、ファイナル
69 従来も温度の決め方は案外と難易度が高かった
70 現在でも温度の決め方の難易度はなかなか高い
71 天気予報でよく聞くヘクトパスカルは圧力の単位
72 動く空気の風圧で飛行機の速度を測る
73 ここまできたら光の圧力も考えてみよう
74 気体の圧力の表し方も考えてみよう
75 いろいろな場所でのガス圧と放射圧
76 音速ふたたび
77 ガスや光のエネルギー密度も計算できる
78 ジェットエンジンと太陽風の速度
79 地球大気の厚さと太陽中心の温度
80 復習がてら、いろいろな量を計算してみよう

付録
付録1 国際単位系SI の基本単位と組立単位
付録2 単位換算表
付録3 SI 接頭語
付録4 ギリシャ語のアルファベットの読み方と用例
付録5 本書で出てくる基礎物理定数と天文定数

コラム 一石先生の「単位」「公式」あれこれ
1 単位や変数の表記
2 由旬と劫
3 尺貫法
4 無次元という単位
5 自然を記述する美しい方程式
6 時空のプランクスケール

著者略歴

著:福江 純
1956年生まれ。1978年、京都大学理学部卒業。1983年、同大学大学院(宇宙物理学専攻)を修了。長年教鞭を取った大阪教育大学天文学研究室教授を退任。理学博士。専門は相対論的宇宙流体力学、とくにブラックホール降着円盤と宇宙ジェット現象。著書は『世界一有名な数式「E=mc^2」を証明する』(JMAM)、『アインシュタインの宿題』(大和書房)など実に多数。熱心なSF、アニメファンとしても有名です。

ISBN:9784800590077
出版社:日本能率協会マネジメントセンター
判型:A5
ページ数:192ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2022年04月
発売日:2022年04月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PH