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語り継ぐべき原子力災害

フクシマとチェルノブイリ

編著:家田 修
他著:オルガ I. ティムチェンコ
他著:今中 哲二

紙版

内容紹介

フクシマの教訓を後世に語り継ぐその責務に応える三国珠玉の共同研究。

福島第一原発事故は、放射能という「見えない脅威」が常に隣り合わせにあるものと私たちに認識させた。しかし、事故から10年以上を経た今日に、その反省は十分に活かされているだろうか?事故は「過去のもの」として忘却に向かっていないだろうか?本書は、共に重大な原発事故を経験した日本・ウクライナ両国の気鋭の研究者によって、放射線被曝についての自然科学的実証研究、避難を強いられた被災者たちの直の声、精神を蝕み続ける「原発不安」などを通し、事故後に長い時を経てもなお人間・社会・自然のあらゆる領域に影響を及ぼし続ける「原発災害」の実態を描いた原子力災害研究の最前線!

目次

はじめに(家田修)
第一部 原子力災害による放射能汚染と被曝
 第1 章 電離放射線と健康:いま誰もが知っておくべきこと(O. I. ティムチェンコ)
 第2 章 福島原発事故による放射能汚染と放射線被曝(今中哲二)
 第3 章 チェルノブイリ原発事故と生物相(D. M. フロシィンスキー)
 第4 章 福島における昆虫の形態異常と年次変化(秋元信一)
 第5 章 放射生態学的・医学的影響の比較(M. V. マリコ)
 第6 章 福島第一原発事故被災動物の包括的線量評価事業の立ち上げと今後(福本学)
第二部 原子力災害と社会
 第7 章 畜産農家にとっての避難(植田今日子)
 第8 章 生活再建ライフイベントとしての仮住まい(西﨑伸子)
 第9 章 避難者の声:文化としての原子力災害(家田修・家田裕子)
 第10 章 ウクライナ・ポレーシエ地方のチェルノブイリ原発事故被災者と移住者の語りによる伝統文化の研究(アレクサンドラ・ブリティナ)
第三部 原子力災害研究の新たな射程
 第11 章 持続的な外傷性ストレス、フラッシュフォワード(成元哲・牛島佳代)
 第12 章 災害と事故:「原発災害」の意味(城下英行)
 第13 章 棄民の系譜からの自由(太田育子)
 第14 章 震源域・核発電・再稼働(高幣秀知)
あとがき(家田修)
事項索引/人名索引/執筆者一覧

著者略歴

編著:家田 修
早稲田大学ロシア東欧研究所招聘研究員。
著作:『なぜ日本の災害復興は進まないのか:ハンガリー赤泥流出事故の復興政策に学ぶ』(現代人文社、2016 年)、『講座スラブ・ユーラシア学1』(講談社、2008 年)等。
他著:オルガ I. ティムチェンコ
ウクライナ科学アカデミー・マルゼーイェフ衛生・医学生態学研究所研究員等を歴任。
他著:今中 哲二
京都大学複合原子力科学研究所研究員。
専門は原子力工学。
著作:『放射能汚染と災厄:終わりなきチェルノブイリ原発事故の記録』(明石書店、2013 年)等。

ISBN:9784798918372
出版社:東信堂
判型:A5
ページ数:456ページ
定価:5800円(本体)
発行年月日:2024年01月
発売日:2024年01月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS