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図解入門よくわかる最新 核融合の基本と仕組み

著:山﨑耕造

紙版

内容紹介

“地上に太陽を作る研究”ともいわれる核融合エネルギーの研究開発は現在、技術的実証・経済的実現性の確立を目指す第三段階まで進み、21世紀中ごろの実用を目指して突き進んでいます。本書では核融合の基礎知識から核融合反応を起こす方法と方式、それぞれのメリット・デメリットなどを図や写真を交えながらわかりやすく解説していきます。

目次

<基礎編>
第1章 核融合の基礎(核物理学)
 1-1 核融合とは?
 1-2 物質と素粒子とは?
 1-3 強い力と核力とは?
 1-4 核エネルギー開発の歴史は?
 1-5 核融合が宇宙を進化させる?
 1-6 太陽は核融合で燃えている?
 1-7 原爆と水爆の違いは?
 1-8 トンネル効果で核融合反応?
 1-9 質量欠損のエネルギーとは?
 1-10 核融合反応断面積と反応率は?
 1-11 太陽と人工太陽の違いは?
 1-12 地上での核融合の方式は
 1-13 第1世代、第2世代の燃料は?
 1-14 ヘリウムやボロンの先進燃料は?
 1-15 エキゾチックな核融合とは?
 1-16 核融合は夢のエネルギーか?
 コラム1:新しい元素の創成!(日本初の新元素「ニホニウム」)

第2章 プラズマの基礎(プラズマ物理学)
 2-1 プラズマとは?
 2-2 自然界と実験室のプラズマは?
 2-3 プラズマ中の電場は遮蔽される?
 2-4 プラズマ振動はプラズマの原点?
 2-5 プラズマ粒子は波乗りする?
 2-6 磁場閉じ込めと断熱不変量とは?
 2-7 オープン磁場での粒子軌道は?
 2-8 トーラス磁場での粒子軌道は?
 2-9 プラズマの平衡とは?
 2-10 プラズマの安定性とは?
 2-11 プラズマの安定化方法は?
 2-12 プラズマの輸送は?
 2-13 放射によるエネルギー損失は?
 2-14 プラズマの加熱は?
 2-15 アルファ粒子加熱は?
 コラム2:極限プラズマとは?(クォーク・グルーオン・プラズマ)

<炉心編>
第3章 地上に太陽を作る(核融合プラズマの物理)
 3-1 核燃焼プラズマと着火温度とは?
 3-2 核融燃焼の条件は?
 3-3 核融合動力炉のローソン条件とは?
 3-4 さまざまな核融合方式は?
 3-5 ミラー核融合は単純か?
 3-6 トカマク核融合とは?
 3-7 先進トカマク配位とは?
 3-8 ヘリカル核融合とは?
 3-9 先進ヘリカル配位とは?
 3-10 その他の磁場閉じ込めは?
 3-11 慣性核融合とは?
 3-12 その他の核融合方式は?
 3-13 プラズマ閉じ込めの現状は?
 3-14 核燃焼プラズマの現状は?
 コラム3:ソ連核融合開発の父との出会い!(故ラヴレンチェフ博士)

第4章 トカマク炉心を制御する(トカマクプラズマの物理)
 4-1 トカマク型の特徴は?
 4-2 断面形状と分布の制御は?
 4-3 閉じ込めが改善される?
 4-4 磁気面が割れる?
 4-5 ダイバータの形状とプラズマは?
 4-6 高圧力のプラズマを閉じ込める?
 4-7 球状のプラズマはコンパクト?
 4-8 電流を安定に流す?
 4-9 自発的に電流が流れる?
 4-10 ディスラプションとは?
 4-11 電流クエンチとVDEとは?
 4-12 アルファ粒子の灰の排出は?
 4-13 プラズマ統合コードは?
 コラム4:核融合研究の黒歴史!(ペロン大統領、ZETA実験、常温核融合)

<炉工編>
第5章 核融合炉機器のさまざまな技術(核融合炉工学)
 5-1 核融合炉の構成は?
 5-2 燃料注入方法は?
 5-3 安定な燃焼運転を行うには?
 5-4 プラズマを加熱する装置は?
 5-5 プラズマを計測・制御する?
 5-6 第一壁は消耗する?
 5-7 ダイバータの機器は?
 5-8 ブランケットの役割は?
 5-9 構造材が放射化される?
 5-10 磁場コイルの形状と材質は?
 5-11 さまざまな遮蔽は?
 5-12 発電システムは?
 5-13 遠隔操作が必要?
 コラム5:核融合技術は波及する!(大型超伝導マグネット、加熱機器)

第6章 核融合発電炉の可能性(核融合システム工学)
 6-1 核融合炉設計案はいろいろ?
 6-2 コンパクト設計案は?
 6-3 システム設計コードとLCAは?
 6-4 コストやCO2排出量は?
 6-5 核融合炉の資源は無限か?
 6-6 トリチウムの安全性は?
 6-7 核融合炉の事故と安全性は?
 コラム6:巨大科学技術の安全性を考える!(ヒューマンエラーと想定外事象)

<発展編>
第7章 核融合炉実用化への道のり(核融合研究開発)
 7-1 世界の核融合研究開発は?
 7-2 日本の核融合研究開発は?
 7-3 ITERとは?
 7-4 BA活動とは?
 7-5 実験炉から動力炉へ?
 7-6 核融合スタートアップ企業とは?
 7-7 スタートアップの発電計画は?
 コラム7:SDGsとGXでの核融合!(持続可能な開発とカーボンニュートラル)

第8章 エネルギーの未来を考える(核融合未来展望)
 8-1 月面で核融合は?
 8-2 核融合ロケットとは?
 8-3 自然と人工の太陽エネルギー計画!
 8-4 核融合から対消滅へ!
 コラム8:映画の中の「核融合」は?(『2001年宇宙の旅』と『バック・トゥ・ザ・フューチャー』)

著者略歴

著:山﨑耕造
名古屋大学名誉教授、自然科学研究機構核融合科学研究所名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。1949年 富山県生まれ。東京大学工学部卒業、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、工学博士。米国プリンストン大学客員研究員、名古屋大学プラズマ研究所助教授、核融合科学研究所教授、名古屋大学大学院工学研究科教授などを歴任。おもな著書は、『図解入門よくわかる最新 電磁気学の基本と仕組み』(秀和システム)、『トコトンやさしいプラズマの本』『トコトンやさしいエネルギーの本』(日刊工業新聞社)、『エネルギーと環境の科学』『楽しみながら学ぶ物理入門』(共立出版)など。

ISBN:9784798070254
出版社:秀和システム
判型:A5
ページ数:208ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2023年09月
発売日:2023年11月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PDZ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:PHM