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ミケランジェロとメディチ家の真実 隠されたヨーロッパの血の歴史

著:副島隆彦

紙版

内容紹介

近代ヨーロッパ文明を作ったイタリア、フィレンツェのルネサンス運動の歴史に隠された、ローマ・カトリック教会と人文主義者たちの血みどろの闘い。ダンテが、ミケランジェロが、モーツァルトが、ニーチェが、生涯をかけて、なぜ、何に対して闘ったのかを、日本人は知っているか。
1492年、フィレンツェの人文主義者たちを支援したメディチ家の、偉大なるロレンツォが亡くなった。この年から1499年までの間に、アッカデミア・ネオプラトニカ(新プラトン学院)の主要なメンバーだった人文主義者たちは、次々と死んでいる。いったい、誰が、何のために殺したのか。「ルネサンス」そのものであった、この新プラトン学院の、殺されたウマニスタたちの怨霊に呼び寄せられて、著者は還暦を前にヨーロッパへの巡礼の旅に出た。
誰も書かなかった政治都市フィレンツェの真実!

目次

序 章 ルネサンスとは本当は何であったのか
 日本人が知らないルネサンスという思想運動
 私に取りつこうとした悪霊
 ローマ・カトリックという巨大な悪
 ミケランジェロがなぜ西欧最大の芸術家なのかを誰も説明しない
「フィレンツェから近代が始まるのか、フィレンツェが近代以前の頂点なのか」問題

第1章 ローマ・カトリックの巨悪に対する反抗がルネサンスを生んだ
 ローマで鳴り響いた「ルターを法王に!」という叫び
 ミケランジェロは生涯、彫刻と絵だけを描いていたわけではない
 近代はいつどこで始まったのか
 キリスト教会の原罪という思想のインチキに気づいたのがルネサンス
 ローマ・カトリック教会がウソつきの集団であることに気づいたのがルネサンス
 ロレンツォという男の偉大さ
 人文主義者たちを保護した老コジモの偉大さ

第2章 押し潰されて消滅させられたプラトン・アカデミー
 プラトン・アカデミー
 アッカデミア・プラトニカの基礎を築いたプラトン主義者第一世代
 アッカデミア・プラトニカ最盛期の第二世代

第3章 メディチ家とは何者であったのか
 政治都市フィレンツェの誕生
 メディチ家の勃興
 偉大な老コジモ
 メディチ家の歴史
 同時代人としてすべてを目撃したミケランジェロ
 メディチ家の黄昏

第4章 フィレンツェを真ん中に据えてヨーロッパ史を見る
 絵画に見るロレンツォの偉大さ
 レオナルド・ダヴィンチの偉大さは人体解剖のほうにある
 ニーチェとは何を体現した人か
 11‐17世紀のフィレンツェで何が起こったのか

第5章 イタリアが分からないとヨーロッパが分からない
 2012年現在のイタリアに迫る金融恐慌
 爛熟の文化的絶頂期にフィレンツェに現れたサヴォナローラ
「アンチ(反)・キリスト」問題
 塩野七生問題
 19世紀イタリア統一の簡単な経緯さえ知っている日本人が少ない
 映画『イ・ヴィチェレ』で『山猫』の裏側が見えた
 バジリカが分からない日本人
 なぜラテラノで何度も公会議が開かれていたのか
 映画『アレクサンドリア』で描かれたヒュパティアの虐殺
 西ローマ帝国の滅亡(476年)頃から12世紀までがまったく分かっていない日本人
 再び、ルネサンスとは本当は何であったのか
 サヴォナローラは何を間違っていたのか

著者略歴

著:副島隆彦
副島隆彦(そえじま たかひこ)
評論家。副島国家戦略研究所(SNSI)主宰。1953年、福岡県生まれ。早稲田大学法学部卒業。外資系銀行員、予備校講師、常葉学園大学教授等を歴任。政治思想、法制度、金融・経済、社会時事、歴史、英語研究、映画評論の分野で画期的な業績を展開。「日本属国論」と米国政治研究を柱に、日本が採るべき自立の国家戦略を提起、精力的に執筆・講演活動を続ける。主著に『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』(講談社+α文庫)、『決定版 属国・日本論』(PHP研究所)、近著に『目の前に迫り来る大暴落』(徳間書店)、『裏切られたトランプ革命』『本当は恐ろしいアメリカの思想と歴史』(以上、秀和システム)、『世界覇権の大きな真実 ロスチャイルド230年の歴史から読み解く近現代史』(PHP研究所)、『アメリカ争乱に動揺しながらも中国の世界支配は進む』(ビジネス社)ほか、著書多数。

ISBN:9784798066172
出版社:秀和システム
判型:4-6
ページ数:304ページ
定価:1700円(本体)
発行年月日:2021年10月
発売日:2021年10月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD