『国際保険取引の法的課題―海外直接付保規制と保険契約準拠法』(学術選書)
吉澤卓哉(京都産業大学法学部教授) 著
【目 次】
◇序
◆第1章 国際的な保険取引に対する監督規制のあり方
第1節 海外直接付保規制のあり方(1)―海外保険者に対する参入規制の整合性の観点から
1 本節の目的
2 外国保険会社免許制と海外直接付保規制の関係
(1) 外国保険会社免許制
①「保険業」
②「外国保険業者」
(2) 海外直接付保規制
①保険契約
②「外国保険業者」
3 日本への進出形態による海外直接付保規制の相違
(1) 外国保険会社免許を受けていない「外国保険業者」
①海外直接引受の可能性
②海外直接引受の方法
(2) 外国保険会社免許を受けた「外国保険業者」
①海外直接付保規制
②海外直接付保規制に関する複数の捉え方
③海外直接付保規制の規制内容
(3) 日本に内国保険会社を設立して日本に進出している「外国保険業者」
(4) その他の内国保険会社
(5) 検 討
4 小 括
第2節 海外直接付保規制のあり方(2)―通信による越境保険取引規制の観点から
1 本節の目的
2 日本の規制内容と環境変化
(1) 外国保険会社免許を受けた「外国保険業者」
(2) 外国保険会社免許を受けていない「外国保険業者」
(3) 保険の越境取引をめぐる環境変化
3 先進国における越境保険取引規制の概要
(1) EU/EEA
(2) フランス
(3) ドイツ
(4) 英 国
(5) 米 国
①規制の概要
②ニューヨーク州の規制
③サープラスライン規制
4 証券分野における越境取引規制の概要
(1) 海外の規制動向
(2) 日本の規制動向
5 検 討
(1) 通信越境取引に関する先進諸国の規制枠組み
(2) 海外直接付保規制の維持
(3) 海外直接付保規制の検討課題
①プロに関する適用除外の創設可否
②自発的アクセスに関する適用除外の創設可否
③海外直接付保に関する保険募集規制の明確化
④海外直接付保規制違反契約の効果規定の創設
6 小 括
第3節 日本の事業会社によるキャプティブ保険会社の設立・利用
1 本節の目的
2 キャプティブ保険会社の設立
(1) 日本国内で設立する場合(内国キャプティブ)
①内国元受キャプティブ
②内国再保険キャプティブ
(2) 海外で設立する場合(海外キャプティブ)
3 リスク移転契約の法的性質
(1) 内国キャプティブ
①内国元受キャプティブ
②内国再保険キャプティブ
(2) 海外キャプティブ
①海外元受キャプティブ
②海外再保険キャプティブ
4 親会社・キャプティブ保険会社間の通謀
(1) 元受キャプティブ―保険引受等の信頼性
(2) 再保険キャプティブ―特別利益の提供等
5 キャプティブ保険会社の倒産リスク
(1) キャプティブ保険会社に特有の問題
(2) エージェンシー問題
(3) フロンティング保険会社の保険契約者保護のための出再規制
6 小 括
◆第2章 国際的な保険取引に関する契約準拠法の捉え方
第1節 外国居住者を保険契約者兼被保険者とする生命保険契約の準拠法
1 本節の目的
2 本件裁判の概要と検討の進め方
(1) 東京地判平成25年5月31日の概要
(2) 検討の進め方
3 準拠法条項が存在する場合
4 黙示指定の一般的な存否
5 準拠法指定が存在しない場合
(1) 法例施行下で締結された保険契約
①保険者の事業所所在地
②付保対象リスクの所在地
(2) 通則法施行下で締結された保険契約
6 消費者契約の特例の適用可否
7 外国で提訴された場合
(1) 裁判管轄
(2) 準拠法
8 小 括
第2節 短期在留外国人を保険契約者兼被保険者とする定期保険契約が本国帰国後に更新されたときの更新後契約の準拠法
1 本節の目的
2 更新後定期保険契約の独立性
3 更新後定期保険契約の準拠法
(1) 黙示の準拠法指定
(2) 準拠法選択がない場合
①現実の履行地を「債務履行地」と捉える立場
②契約上の履行地を「債務履行地」と捉える立場
4 小 括
第3節 外国の越境保険取引規制の特別連結
1 本節の目的
2 第三国の越境保険取引規制の特別連結
(1) 第三国の強行的適用法規の特別連結
(2) 第三国の越境保険取引規制の強行的適用法規性
3 外国人を被保険者とする死亡保険契約に関する2件の裁判例
(1) 保険金請求事案
(2) 保険契約無効確認請求事案
4 越境保険取引規制の特別連結
(1) 海外渡航による越境保険取引規制違反契約の締結
(2) 日本居住者が越境保険取引規制違反を犯す場合
(3) 外国居住者が越境保険取引規制違反を犯す場合
5 小 括
◇結 び
・参考文献
・判例索引
・事項索引