『電力自由化と法―競争と多様な政策の実現』(学術選書)
佐藤佳邦((一社)電力中央研究所上席研究員)著
【目 次】
はしがき:本書の概要
◆序章「電気事業の競争導入と検討すべき法的課題」
電気事業への競争導入と関連する規制改革の概要
法的観点から検討すべき諸課題
◇第I部 電力産業への市場メカニズムの導入と公正競争確保の課題◇
■第Ⅰ部 序 論
電気事業の各種バリューチェーンと市場支配力
第Ⅰ部の構成
◆第1章 米国の発電事業への競争導入と市場支配力のコントロール
1.1 はじめに
1.2 市場ベース料金による発電市場への競争導入とMobile-Sierra法理
1.3 Mobile-Sierra法理をめぐるMorgan Stanley判決(2008)とその意義
1.4 おわりに
◆第2章 EUにおける電力長期契約の規制と投資インセンティブの確保
2.1 はじめに
2.2 電力の長期契約が競争に与える影響
2.3 長期卸契約に対するEU競争法の適用事例(1990年代)
2.4 長期小売契約に対するE 競争法の適用事例
2.5 日本における電力長期契約の独禁法による規律
◆第3章 ベースロード市場をめぐる独禁法の課題
3.1 はじめに:ベースロード市場をめぐる独禁法の課題
3.2 ベースロード市場入札価格の監視の課題
3.3 不当廉売をめぐる課題
3.4 BL市場とプライス・スクイーズ
3.5 まとめ
◆第4章 EUの電力・ガス市場における合併審査事例の検討
4.1 はじめに:電力システム改革後の M&A と独禁法による規律
4.2 EUの電力・ガス事業における合併審査の概要
4.3 EUの電力・ガス分野での合併審査の特徴と課題
4.4 日本の電力・ガス市場の合併審査において問題となり得る論点
4.5 本章の小括
■第Ⅰ部の小括
第Ⅰ部の小括と課題
◇第Ⅱ部 多様な電源確保と競争中立性の両立をめぐる法・政策◇
■第Ⅱ部 序 論
低炭素電源普及策の課題
低炭素電源普及策における競争政策的視点
第Ⅱ部の構成
◆第5章 再エネFITと競争の調和 (1):米国における買取価格をめぐる法
5.1 はじめに
5.2 米国におけるFITの導入状況とその背景
5.3 各州が導入したFITとその費用回収の方法
5.4 連邦法による州法FITの規律
5.5 本章のまとめと検討
◆第6章 再エネFITと競争の調和 (2):送電線オープンアクセスの問題
6.1 本章の背景と問題の所在
6.2 米国の再生可能エネルギー電力買取制度の現状と評価
6.3 米国の送電線オープンアクセスと再生可能エネルギー電力買取制度
6.4 2005 年エネルギー政策法による PURPA210条の買取義務縮減の動きとその意義
6.5 本章のまとめと考察
◆第7章 再エネFITと競争の調和 (3):EUの再エネFITと競争政策
7.1 本章の背景と問題の所在
7.2 再エネFITに対するEUの競争政策からの指摘
7.3 まとめ
◆第8章 EUの原子力バックエンド事業に対する国家補助規則による規律
8.1 本章の背景
8.2 EU国家補助規則の概要
8.3 ユーラトム条約と国家補助規則の関係
8.4 原子力バックエンド事業をめぐる国家補助審査の事例
8.5 本章のまとめ
■第Ⅱ部の小括
第Ⅱ部の小括と課題
◇第Ⅲ部 エネルギー事業における消費者保護と事業規制機関をめぐる課題◇
■第Ⅲ部 序 論
◆第9章 競争環境における電力のユニバーサル・サービス確保と法的課題
9.1 電力の小売全面自由化とユニバーサル・サービス
9.2 全面自由化後におけるユニバーサル・サービス確保策
9.3 英国における社会福祉料金の経験
9.4 小 括
◆第10章 電力・ガスの小売自由化に伴うセット販売と独禁法の規制
10.1 はじめに
10.2 バンドル割引が競争に及ぼす影響
10.3 米国反トラスト法とバンドル割引
10.4 電力のセット販売割引と独禁法
10.5 本章のまとめ
◆第11章 エネルギー規制当局と競争当局の適切な役割分担について
11.1 はじめに
11.2 英国競争法の重畳的な執行体制
11.3 重畳的制度の現状の評価
11.4 本章のまとめと日本のエネルギー規制機関に関する検討
◆第12章 米国の原子力規制における行政審判制度の役割
12.1 はじめに
12.2 米国NRCの審査体制
12.3 NRCの行政審判制度:原子力安全許認可審判会議
12.4 まとめ:米国ASLBの特徴
12.5 補論:我が国の規制委における再稼働等審査の課題
■第Ⅲ部の小括
第Ⅲ部の小括と課題
◆終章「本書の結論と残された課題」