『国際経済法の現代的展開 ― 清水章雄先生古稀記念』
須網隆夫・中川淳司・古谷修一 編集
【目 次】
・はしがき
◆第Ⅰ部◆ 現代国際経済法の課題
◆1 武力紛争地域におけるビジネス活動―「ビジネスと人権」の視点からの序論的検討〔古谷修一〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 武力紛争下におけるビジネス活動を規律する国際法
Ⅲ 国家の義務
Ⅳ 高度化された人権デュー・ディリジェンス
Ⅴ 企業の法的責任
Ⅵ 被害者救済の枠組
Ⅶ おわりに
◆2 彼我の正義と国際私法〔道垣内正人〕
Ⅰ 序 論
Ⅱ 外国領域内での当該外国の公権力行使に対して自己の正義を貫く最高裁判決
Ⅲ 4つの場合分け
Ⅳ 結論:あるべき国際私法秩序
◆3 洋上風力発電と環境への影響の評価〔河野真理子〕
Ⅰ 序
Ⅱ 主要な地域及び国の風力発電の状況
Ⅲ 洋上風力発電施設の環境への影響
Ⅳ 国際法における環境影響評価
Ⅴ 洋上風力発電施設と環境への影響の評価
Ⅵ おわりに
◆4 法の支配危機とEU法の基本原則―EU法の優位の現在〔須網隆夫〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ ポーランドにおける「法の支配危機」
Ⅲ 「法の支配危機」と「EU法の基本原則」
Ⅳ ポーランドによる懲戒法廷改革
Ⅴ 結 語
◆5 グローバルな規制から逸脱した国際的な金融活動―タックスヘイブンと国際金融システムの安定〔川名 剛〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ タックスヘイブンの国際的規制枠組みへの組み込み
Ⅲ 世界金融危機後のタックスヘイブン規制
Ⅳ これからの国際金融システムの安定の課題
◆6 国際法における開発問題の位相〔伊藤一頼〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 脱植民地化プロセスにおけるuti possidetis原則の意義
Ⅲ 国際法及び国家形成における実効性の意義
Ⅳ おわりに
◆7 グローバル・ガバナンスにおける「法源論」の再検討―動態的法源論へ向けて〔小寺智史〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 国際法に関する規範性をめぐる議論
Ⅲ 国際法学における「法源論」に関する新たな動向
Ⅳ グローバル・ガバナンスにおける新たな法源論
Ⅴ おわりに
◆8 国際裁判所の事項的管轄権の限界―いわゆる「巻き込まれた問題」の問題の検討を通じて〔北村朋史〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 「巻き込まれた問題」の問題とは何か―問題の出現形態と外縁,管轄権と適用法の関係
Ⅲ 判例と学説の検討―判例の「対立」や「矛盾」が意味するもの
Ⅳ 結論に代えて
◆第Ⅱ部◆国際通商・投資法の現代的展開
◆9 持続可能な開発目標(SDGs)と国際通商法―批判的考察〔中川淳司〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ SDGsの法的性格と概要
Ⅲ SDGsにおける国際通商法への言及と4つのバイアス
Ⅳ SDGsを超えて―持続可能性を基軸とする国際通商法システムの構想
◆10 公正概念の再考―国際通商法秩序の変容を分析するための覚書〔平見健太〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 国際通商法における公正概念の位置
Ⅲ 生じつつある変容
Ⅳ おわりに
◆11 貿易と人権(再考)〔秋山公平〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 貿易と人権(総論)
Ⅲ 域外的人権侵害への対処
Ⅳ おわりに
◆12 中国政府系金融機関による途上国への貸付契約の特異性〔中谷和弘〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 中国政府系金融機関による途上国への貸付契約における諸条項
Ⅲ パリ・クラブと中国
Ⅳ おわりに
◆13 国際投資協定における利益否認条項―その類型と投資受入国による援用を容易にする近年の傾向〔阿部克則〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 利益否認条項の類型と傾向
Ⅲ 利益否認権行使の遡及的効果に関する仲裁判断
Ⅳ おわりに
◆14 政府調達における外国補助金の規制―EU規則の意義と課題〔関根豪政〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 既存の政府調達補助金に対する規制構造
Ⅲ EUの外国補助金規則案における政府調達補助金規制
Ⅳ EU規則案の適法性の検証
Ⅴ おわりに
◆15 安全保障を目的とするデータ越境移転の制限に関する貿易協定上の規律〔藤井康次郎・室町峻哉〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 安全保障を目的とするデータ越境移転制限に関する動向
Ⅲ データ越境移転制限に関する貿易協定上の規律
Ⅳ 考 察
◆第Ⅲ部◆WTO紛争処理手続の課題と展望
◆16 トルコ医薬品関連措置事件―WTO紛争処理改革への示唆〔福永有夏〕
Ⅰ 序
Ⅱ トルコ医薬品関連措置事件の概要
Ⅲ WTO紛争処理改革への示唆
Ⅳ 結 語
◆17 パーム油バイオ燃料に関するEUの措置とWTO紛争〔石川義道〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 問題となるEUの措置
Ⅲ GATTとの整合性
Ⅳ おわりに
◆18 WTOの紛争解決制度の紛争助長機能について〔水島朋則〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 一般国際法における救済との比較から得られる示唆
Ⅲ 国内契約法における救済との比較から得られる示唆
Ⅳ おわりに
◆19 アンチダンピング迂回防止における商務省と税関の職務分掌に関する米国法令の動向〔小林友彦〕
Ⅰ 背景となる問題意識
Ⅱ 米国の法令の特徴
Ⅲ 最近の動向
Ⅳ 結論に代えて
◆20 危険性評価と適切な保護水準―輸入国の規制権限の適切な保障をめぐって〔濱田太郎〕
Ⅰ SPS協定上の義務の類型化
Ⅱ 措置国が適法にALOPを決定する義務(前提的義務)の履行
Ⅲ 危険性評価の適切性要件の高度化
Ⅳ ALOPの自律性と恣意性
Ⅴ おわりに
◆21 WTO体制における黙示的権限の法理〔吉田 脩〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 黙示的権限の法理
Ⅲ WTOにおける事例
Ⅳ 結びに代えて
◆22 最近のWTO先例に基づくアンチ・ダンピング(AD)措置の課題と将来〔粟津卓郎〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ WTO紛争解決機構上級委員会の機能不全
Ⅲ ADの政治化
Ⅳ 近年のWTO先例における,中国を含む発展途上国によるAD調査に関する規律の強化
Ⅴ サンセットレビューに対する規律の不足
Ⅵ 非市場経済国(NME)の取扱いの不明確性
Ⅶ コロナとAD
◆23 WTO紛争解決手続における証明責任(burden of proof)とprima facie caseについて〔末啓一郎〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ WTOにおける紛争の司法的解決制度について
Ⅲ 我が国民事訴訟手続制度における事実の認定
Ⅳ WTO紛争解決手続における証明責任について
Ⅴ WTO紛争解決手続におけるprima facie case 概念について
Ⅵ 最後に
◆24 「同種の産品」の機能を再考する―内外一体の経済政策の結節点として〔米谷三以〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 「同種の産品」の範囲及び「同種の産品」に関わる規律の現状
Ⅲ 「同種の産品」及び「同種の産品」に関わる規律の統一性の追求
Ⅳ 「同種の産品」の概念構成の可能性
Ⅴ おわりに
・清水章雄先生ご略歴・ご業績