出版書誌データベース

◆日本の経済学の黎明期、「社会厚生のために一身を捧げた一大学者にして一大運動家」であった福田徳三の先駆的業績を新編集により蘇らせた現代版。全巻に通底する「厚生の理論・歴史・政策」は、経済学のまさに学問的源流となった。各巻編集者による【解題】付◆

■第13巻は、福田の学問研究の「核」としての「生存権思想」に迫る。 矛盾や弊害の国家学から、厚生・福祉の社会政策へ■

『生存権の社会政策（福田徳三著作集第13巻）』

　　福田徳三研究会　編／清野幾久子　編集・解題


【目　次】

刊行にあたって（西沢 保）
凡　　例

◆一　企業・労働及び社会問題

　一　企業心理論
　二　企業の精神と複式簿記法
　三　我が邦経済政策の根本問題（労働時間短縮の生産力に及ぼす影響の一事例）
　四　工場法案修正意見
　五　社会問題としての飢饉
　六　社会問題と価値問題
　七　サンディカリスムと労働団結の自由
　八　賃銀協約の新趨勢
　九　労働契約より労働協約へ
　十　社会問題及社会政策概論

◆二　社会政策雑纂

　一　産業の将来
　二　エルンスト・アッベの人となり、ならびに事業
　三　エルンスト・アッベの社会政策上の遺稿
　四　エルネスト・ソルヴェー賀会の報に接して
　五　ドイツ社会政策学会総会
　六　欺かるる者は誰ぞ
　七　マルクスの『余剰価値学説論』
　八　何故アメリカに社会主義なきや
　九　「シンジカリズム」
　十　社会主義研究の栞

◆三　社会政策管見

　一　ドイツ社会政策学会の成立
　二　ドイツ社会政策学会略史
　三　社会党鎮圧法（Ausnahmegesetz）の始終
　四　小にして大なる問題＝国際労働保護に賛同せざる日本＝
　五　シュルツェ-デーリチュの百年祭に際して
　六　労働協約一斑
　七　ドイツにおける労働協約
　八　イギリスにおける労働協約
　九　「シンジカリズム」一斑
　十　生存権概論

◆四　生存権の社会政策

　第一章　開　題
　第二章　富権階級の学問たる哲学
　第三章　伝来の道徳哲学
　第四章　有機的発展説と財産及び婚姻制度
　第五章　革命の哲学と改良の哲学
　第六章　社会改良の文化価値
　第七章　心理主義と「ア・プリオリ」
　第八章　労働権・労働全収権・生存権
　第九章　必存の保障と生存の要求
　第十章　日本社会政策の第二期

■解　題〔清野幾久子〕

年　譜
人名・団体名索引
書誌索引