『EU法研究 第12号』
中西優美子 責任編集
【目 次】
■〈巻頭言〉ロシアのウクライナへの侵攻とEU〔中西優美子〕
◆特集◆COVID-19と法
〈特集の趣旨〉
◆コロナ禍とバーチャルオンリー株主総会の進展―日本とEU・EU加盟国〔上田廣美〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 日 本
Ⅲ EUとEU加盟国
Ⅳ おわりに
◆コロナ・パンデミックに対処する,ドイツ基本法下の執政権と議会制民主主義〔フェルディナンド・ボレンシュレーガー(石村修訳・解説)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ パンデミックに対処する,執政権による立法権限
Ⅲ パンデミックに対処するために,執政権が立法権限をもつことを憲法は許容している
Ⅳ パンデミックに対処する命令権限―議会は憲法に違反して自らを無力化したのか?
Ⅴ 正統化を高めるために必要な補充のメカニズム
Ⅵ 結 論
◆COVID-19ワクチンの条件付き販売承認―EU法の下での批判的評価〔アレクサンドラ・ドナティ(中西優美子訳)〕
Ⅰ 導 入
Ⅱ ワクチン承認の標準手続
Ⅲ COVID-19ワクチン承認のための迅速化手続
Ⅳ COVID-19ワクチンの条件付き販売許可と予防原則
Ⅴ 結 論
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◆EU送還指令―行政裁量から法の支配へ,個人の人権遵守となるか?〔佐藤以久子〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 人道的送還への模索
Ⅲ 送還指令の適用範囲
Ⅳ CJEUとECtHRによる司法審査
Ⅴ おわりに
◆2019年ハーグ判決条約29条―条約関係に関する同条が有する既存の性質と独自の性質〔クリスティーナ・M. マリオッティーニ(竹下啓介訳)〕
Ⅰ 序論―2019年判決条約の略史及び29条の文脈付け
Ⅱ 29条に定められたメカニズム
Ⅲ ハーグ諸条約における条約関係の形成のメカニズムに関する歴史的概観
Ⅳ 2019年ハーグ判決条約と条約関係の新たな形成方法―結語
◆ハーグ判決条約29条の意義に関する一考察〔竹下啓介〕
Ⅰ ハーグ判決条約29条
Ⅱ 外国判決の承認・執行と裁判の相互的な互換性
Ⅲ 司法制度の相互互換性とEU構成国間の相互信頼原則
Ⅳ 結 語
◆〈第2回 ヨーロッパ法判例研究〉参照不能化(de-reference)義務の地理的範囲―グーグル事件〔渡邉剛央〕
Case C-507/17, Google LLC, successor in law to Google Inc., v. Commission nationale de l'informatique et des libertés (CNIL), Judgment of the Court (Grand Chamber), 24 September 2019, ECLI:EU:C:2019:772
◆〈最新動向〉再生可能エネルギーに関するEUの2021年補助金審査基準〔カール=フリードリヒ・レンツ〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 問題の所在と2014年審査基準
Ⅲ ドイツでの再生可能エネルギー改正
Ⅳ 2021年12月の審査基準による規制緩和
Ⅴ 入札要請の理由と検討
◆〔書 評〕Alessandra Donati, Le principe de précaution en droit de l'Union Européenne(Bruylant, 2021)〔中西優美子〕