『日本と世界の墓地埋葬法制』
大石 眞・片桐直人・田近 肇 編
・はしがき
◆序章 法における死者の「住処」の位置づけ/大石 眞
はじめに―シャルリ・エブド社襲撃事件の陰で
1 欧州諸国の墓地埋葬法制―墓地提供の公役務性
2 日本のお墓事情と墓地埋葬法―法の建前と実際
おわりに―人間の尊厳と「死者の尊厳」
◆第1編◆各国の葬送事情
◆第1章 イギリスの墓地・火葬場と墓地法制/上田健介
1 ロンドンの民営墓地
2 イギリスの墓地埋葬法制の特徴
3 カーディフの公営墓地―カテイ墓地
4 ロンドンの民営火葬場―ゴールダーズ・グリーン火葬場
5 新しい葬法
◆第2章 フランス/大石 眞
1 フランスの墓地埋葬法制
2 パリ市営墓地の仕組みと事情
3 ペール・ラシェーズ墓地
◆第3章 イタリア/田近 肇
1 イタリアの葬送事情
2 公役務としての墓地提供
3 ミラノ市営墓地
4 葬祭事業の規律と利用者の保護
5 宗教的自由への配慮
6 公営墓地における宗派区画
◆第4章 お墓事情と墓地法制―オーストリアの墓地と墓地法制/片桐直人
1 「ベートーベンと墓友に」
2 オーストリアの墓地埋葬と法
3 ウィーンの墓地埋葬法制
◆第5章 ドイツ/重本達哉
1 シュパイヤー墓地・埋葬法大会
2 多彩なドイツの墓地・埋葬と法
3 フランクフルトの墓地における取組み
4 お墓を巡る比較法研究の面白さ
◆第2編◆「終活」時代の墓地埋葬法制
◆第1章 お墓の法律―歴史と現状/竹内康博
はじめに
1 墓地に関する法律
2 墓地行政
おわりに
◆第2章 現代日本における墓地埋葬法の再構築―〈家〉なき時代の「埋葬」/森 謙二
1 問題意識
2 戦後の墓地埋葬法―矛盾からの出発
3 墓地埋葬法の空洞化
4 近代墓地埋葬法の展開―ドイツと日本
5 権利としての「埋葬」
6 むすび
◆第3章 墓地経営許可条例改正にみる墓埋行政の現在―船橋市の事例から/北村喜宣
1 墓埋法と自治体
2 現行条例と船橋市の問題意識
3 委員会での議論
4 『船橋市墓地等基本方針:“とわ”にやすらぐ船橋を目指して』
5 新条例の制定
6 分権時代の墓地行政
◆第4章 葬送秩序の変容と地方公共団体―墓地埋葬法と葬送の自由に関する覚書/片桐直人
1 はじめに
2 葬送秩序の変容と選択肢の増加
3 葬送の自由の諸相と墓地埋葬法
4 葬送は誰が行うのか
5 結びにかえて
◆第5章 散骨規制条例と葬送の自由・死者の尊厳/田近 肇
はじめに
1 わが国における散骨の現状
2 地方公共団体による散骨規制
3 憲法上の原理としての「葬送の自由」
4 散骨規制の合憲性
おわりに
◆第3編◆諸外国の墓地埋葬法制
◆第1章 自由な社会における公共性と「慎み」―イギリスの場合/上田健介
はじめに
1 墓 地
2 埋 葬
3 火 葬
4 近時のいくつかの動き
おわりに
◆第2章 フランスの場合―死によって止むことのない「身体に払われるべき敬意」/大石 眞
はじめに―フランスの葬送事情
1 墓地埋葬法制略史
2 現行の墓地埋葬法制
3 パリにおける墓地の提供と管理
おわりに
◆第3章 公営墓地制度を通じた「死者への敬愛」の実現―イタリアの場合/田近 肇
はじめに
1 イタリアの葬送事情と立法事情
2 死者への敬愛
3 伝統的な葬法と死者への敬愛
4 社会の宗教的多元化とそれへの対応
5 葬法の多様化と死者への敬愛
おわりに
◆第4章 ドイツ・オーストリアの墓地埋葬と憲法/片桐直人
1 はじめに
2 ドイツ・オーストリアにおける墓地埋葬の概観
3 諸論点
4 おわりにかえて
◆第5章 揺れる厳格な立法と墓地の目的―ドイツ/重本達哉
1 はじめに
2 ドイツ墓地埋葬法の現況
3 ドイツ墓地埋葬法における墓地の設置等に係る考慮事項
4 むすび―若干の比較法的検討と共に