力点憲法
著:齊藤 正彰
内容紹介
◆250以上の図解による新型入門教材―憲法の効率的な学習のためにいかなる事項に「力点」を置くべきか◆
「教科書が読めない。」「知識がバラバラになる。」「違憲審査がわからない。」こうした悩みに応えるため、図解と項目選定に「力点」を置いた新型入門教材が誕生。図解は250以上配し、学習のスタートに有益な30章を選び、違憲審査の説明に計5章分を割く。薄さと相互参照も追求した。大学生や法科大学院生が勉強を始めるための見取り図として最適の新感覚テキスト。
目次
『力点憲法』
齊藤正彰(北海道大学大学院法学研究科教授)著
【目 次】
はじめに
◆第1部 憲法で人権を保障する意味
第1章 憲法とは何か
1 憲法と法律の違い
2 「憲法」という言葉の意味
3 憲法の形式的意味と実質的意味
4 日本の憲法はすでに改正されている?
5 憲法の固有の意味と立憲的意味
6 立憲主義
第2章 憲法と人権保障
1 国家と憲法
2 生まれながらの人権
3 社会契約論
4 公権力による人権侵害への防御
第3章 憲法上の人権
1 「暮らしのなかの人権」のイメージ
2 憲法と法律の役割分担
3 生まれながらの人権と憲法上の人権
4 人権と基本的人権
◆第2部 人権保障の〈しくみ〉
第4章 人権規定の分類
1 〈なんとかしてくれ〉型の人権
2 日本国憲法の人権カタログ
3 人権の分類
4 不作為請求権と作為請求権
5 人権と基本権
6 「憲法上の人権」と客観法
第5章 人権の制限と公共の福祉
1 人権の制限
2 初期の学説
3 内在的制約か「公共の福祉」か
4 一元的内在制約説の見直し
5 違憲審査基準論への移行
第6章 違憲審査制
1 立憲主義と民主主義
2 違憲審査制の性格
3 日本国憲法の違憲審査制
4 客観訴訟における違憲審査
5 司法裁判所型・付随的審査制における違憲審査
第7章 比較衡量と比例原則
1 対立・衝突する利害のバランスを考える
2 「やり方」も考慮に入れる
3 天秤に替わるハードル
4 ハエを打つにはハエ叩き
5 2つの「3段階」
第8章 違憲審査の厳格度
1 違憲審査の厳格度と「二重の基準」論
2 「二重の基準」論の根拠
3 目的・手段審査と3段階の厳格度
4 最高裁の違憲審査の現況
第9章 憲法判断のあり方
1 憲法訴訟における憲法判断
2 最高裁の個別意見制度
3 憲法判断の手法
4 法律の合憲性と行政処分の適法性
5 違憲判決の効果
第10章 人権の主体
1 人権享有主体性
2 天皇・皇族の人権
3 外国人の人権
4 外国人在留制度と法務大臣の裁量
5 法人の人権
6 人権の集団・共同行使
第11章 人権規定の私人間効力
1 憲法上の人権と私人間における〈人間の権利〉
2 私人間における〈人間の権利〉の保護と憲法
3 人権規定の私人間効力についての考え方
4 間接効力説の再検討⑴ 基本権保護義務論
5 間接効力説の再検討⑵ 新・無効力説
6 私人間効力論の現れ方
第12章 特別な法律関係と人権
1 特別権力関係論の否定と「特別な法律関係」における人権
2 刑事施設被収容者(在監者)の人権
3 公務員の人権
◆第3部 保障される人権の〈なかみ〉
第13章 幸福追求権
1 個人主義
2 幸福追求権
3 公共の福祉
4 憲法上の「新しい人権」の概要
5 プライバシー権
6 人格権
7 自己決定権
8 環境権
第14章 法の下の平等
1 憲法14条の意義
2 絶対的平等・相対的平等
3 機会の平等・結果の平等
4 形式的平等・実質的平等
5 機会の平等の実質化
6 合理的区別と違憲審査
7 劣遇者の救済と違憲審査
第15章 思想・良心の自由
1 精神的自由の基本となる自由
2 内心の自由の「絶対的保障」の意味
3 内心の自由の保障内容
4 内心の自由の侵害の態様
5 内心に反する外部的行為の強制
第16章 信教の自由と政教分離
1 宗教の自由の保障・国家と宗教の分離
2 信教の自由の間接的制約と義務免除
3 国家と宗教の分離の限界
4 目的・効果基準の適用と不適用
第17章 表現の自由
1 表現の自由の意味
2 表現の自由の規制
3 表現規制の違憲審査
4 検閲の禁止と事前抑制
5 付随的規制
6 規制と援助
第18章 集会の自由とパブリック・フォーラム
1 集会の自由の性質
2 施設管理権とパブリック・フォーラム
3 集会・デモ行進などの集団行動の規制
4 集会の自由の制限についての違憲審査
5 集会の自由と「敵意ある聴衆」
第19章 学問の自由と大学の自治
1 憲法23条の意義
2 大学をめぐる変動と憲法23条
3 研究活動の規制
4 学生の管理と大学の内部問題
第20章 職業の自由
1 経済的自由
2 「職業選択の自由」の保障の意味
3 職業の自由と許可制
4 規制目的二分論の展開
5 規制目的二分論への疑問
第21章 財 産 権
1 財産と財産権
2 財産権の保障をめぐるジレンマ?
3 財産権の制限
4 財産権規制の違憲審査
5 正当な補償
第22章 生 存 権
1 自由権と社会権の違い
2 生存権の法的性格
3 生存権の裁判規範性と訴訟類型
4 生存権の違憲審査
5 制度後退禁止原則
第23章 教育を受ける権利と労働に関する権利
1 社会権の基底にある自由
2 教育を受ける権利と学習権
3 教育内容の決定権限(教育権)の所在
4 勤労の権利と義務
5 労働基本権
第24章 適正手続の保障
1 適正手続と罪刑法定主義
2 刑事手続の憲法的統制
3 行政手続の規律
第25章 国務請求権と違憲国賠訴訟
1 受益権ないし国務請求権
2 請願権
3 裁判を受ける権利
4 国家賠償請求権と国家賠償法
5 立法不作為の違憲国賠訴訟
第26章 選挙権と投票価値の平等
1 参政権の全体像
2 選挙権の法的性格と選挙権の制限
3 投票価値の平等と議員定数不均衡
4 衆議院の定数訴訟における違憲審査
5 参議院についての投票価値の平等と二院制
◆第4部 統治機構の勘どころ
第27章 立法過程と委任立法
1 国会の地位・権能と二院制
2 「唯一の立法機関」の意味
3 政府立法と立法の委任
4 委任立法と裁判所による統制
第28章 議院内閣制と解散権
1 大統領制と議院内閣制
2 解散権の所在と制約
3 行政権と内閣
4 内閣中心構想と国民内閣制論
第29章 付随的審査制における憲法判断
1 違憲審査制と司法権の範囲
2 法律上の争訟と事件性の要件
3 統治行為論・自律権論・部分社会論・裁量論
4 客観訴訟における違憲審査
5 憲法判断回避の準則と「念のため」判決
第30章 地方自治
1 地方自治制度の形成と「地方自治の本旨」
2 地方公共団体
3 条例制定権
第31章 憲法と国際社会
1 国際法と国内法
2 憲法と条約
3 国際人権条約の国内適用可能性
4 戦争放棄と戦力不保持
5 自衛権の行使と自衛力の保持
6 集団的自衛権と日米安保条約
7 違憲審査制と9条
事項索引
判例索引
おわりに
ISBN:9784797223736
。出版社:信山社出版
。判型:A5変
。ページ数:268ページ
。定価:2900円(本体)
。発行年月日:2024年03月
。発売日:2024年04月01日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LND。