辻村みよ子著作集 7
日本国憲法解釈と平和
法解釈の課題と展望
著:辻村 みよ子
内容紹介
◆辻村みよ子著作集 ― 憲法・比較憲法・ジェンダー法学など広範な著作をテーマ別に編集◆
憲法学の基層から、根源的な権利を追求し続けた、憲法研究者としての50年にわたる軌跡の集大成。憲法・比較憲法・ジェンダー法学など広範な著作をテーマ別に編集。第7巻は、憲法施行75周年、最新の学説・判例理論等を補完し、現下における日本国憲法の解釈論上の問題状況を整理・考究。併せ平和主義に関する論稿も収載し、平和的生存権にも一石を投じる。
目次
『日本国憲法の解釈と平和―法解釈の課題と展望(辻村みよ子著作集第7巻)』
辻村みよ子(東北大学名誉教授) 著
【目 次】
◇第1章 憲法総論―立憲主義の展開と国民主権◇
1 序 章―憲法を学ぶ視点
〔補 遺〕
2 憲法と立憲主義
Ⅰ 憲法と国家―立憲主義の考え方
Ⅱ 憲法の定義・種類・特性
Ⅲ 近代憲法の現代的展開
〔補 遺〕
3 日本国憲法の成立と「押し付け憲法」論
3-1 日本国憲法の成立
Ⅰ 日本憲法史の展開
Ⅱ 日本国憲法の制定
3-2 憲法制定過程の特徴―「押しつけ憲法」論の真偽
Ⅰ 憲法制定過程の特徴―「押しつけ憲法」論の真偽
Ⅱ 戦後の改憲論
3-3 改憲勧告に対する日本政府の拒否
Ⅰ 改憲勧告に対する日本政府の拒否
Ⅱ 改憲論の展開―改憲派・護憲派の対抗
〔補 遺〕
4 日本国憲法の規範構造―上諭・前文
4-1 日本国憲法の規範構造
Ⅰ 日本国憲法の構造と基本原理
Ⅱ 前文の性格と効力
Ⅲ 憲法と国際法
4-2 上諭・前文
Ⅰ 上 諭
Ⅱ 前 文
〔補 遺〕
5 国民主権と象徴天皇制
5-1 国民主権―日本国憲法の基本原理Ⅰ〔2021年〕
Ⅰ 国体論争と主権論の展開
Ⅱ 国民主権の意味
Ⅲ 国民主権下の象徴天皇制
5-2 国民主権下の象徴天皇制―生前退位問題
Ⅰ 象徴天皇制の位置付けと生前退位問題
Ⅱ 象徴天皇制をめぐる憲法学上の争点
Ⅲ 国体論争と国民主権原理(論点①②)
Ⅳ 象徴天皇の憲法上の地位(論点③)
Ⅴ 象徴天皇の公務の性格(論点④)
〔補 遺〕
◇第2章 選挙と代表制◇
6 参政権
Ⅰ 意 義
Ⅱ 選挙権と被選挙権
Ⅲ 選挙の原則と選挙権訴訟の展開
〔補 遺〕
7 選挙と代表制・選挙制度
7-1 選挙と代表
Ⅰ 国民主権と国民代表制
Ⅱ 選挙と選挙制度
Ⅲ 政党制をめぐる問題
7-2 小選挙区制比例代表並立制選挙の合憲性
Ⅰ 事実の概要・判旨
Ⅱ 検 討
7-3 選挙区の「合区解消」のための憲法47条改正論議
Ⅰ 選挙区の「合区解消」のための憲法47条改正論議について
Ⅱ 最高裁判決と自民党案の関係
〔補 遺〕
◇第3章 権力分立と統治機構◇
8 統治原理と権力分立
Ⅰ 統治の基本原理―国民主権・人権保障・権力分立の関係
Ⅱ 権力分立の現代的意義
Ⅲ 法の支配・法治主義と違憲審査制
〔補 遺〕
9 国 会
9-1 国 会
Ⅰ 国会の地位
Ⅱ 国会の組織
Ⅲ 国会議員の地位と権能
Ⅳ 国会の権能
Ⅴ 議院の権能
9-2 国政調査権の本質・再論
Ⅰ はじめに
Ⅱ 本質論の展開と「歴史的」限界―2つの画期
Ⅲ 基礎理論の変容と課題
Ⅳ 新たな国政調査権論のために
〔補 遺〕
10 内 閣
Ⅰ 行政権と内閣
Ⅱ 議院内閣制
Ⅲ 内閣の組織と権能
Ⅳ 内閣の権能
Ⅴ 内閣の責任と衆議院の解散
〔補 遺〕
11 裁判所
Ⅰ 司法権の意義
Ⅱ 司法権の独立
Ⅲ 裁判所の組織と権能
Ⅳ 違憲審査制
〔補 遺〕
12 財 政
Ⅰ 財政の基本原則―財政民主主義
Ⅱ 租税法律主義
Ⅲ 国費の支出と国会の議決
Ⅳ 財政監督制度
〔補 遺〕
13 地方自治
Ⅰ 地方自治の意義
Ⅱ 地方公共団体
Ⅲ 住民自治と住民投票
〔補 遺〕「分権改革の進展と『自治体憲法学』の課題」
14 憲法改正と憲法保障
Ⅰ 憲法改正
Ⅱ 憲法の変動と憲法保障
Ⅲ 改憲論と国民の意識
〔補 遺〕
◇第4章 人権総論・人権各論◇
15 人権総論
Ⅰ 人権の主体
Ⅱ 人権の保障範囲
Ⅲ 人権保障の限界と「公共の福祉」
〔補 遺〕
16 包括的権利と基本原則
Ⅰ 個人の尊重と幸福追求権
Ⅱ 法の下の平等と平等権
〔補 遺〕
17 自由権(Ⅰ精神的自由権・Ⅱ経済的自由権・Ⅲ身体的自由権)
Ⅰ 精神的自由権
一 思想・良心の自由
二 信教の自由
三 表現の自由
四 学問・教育の自由
Ⅱ 経済的自由権
一 職業選択の自由
二 居住・移転の自由
三 財産権
Ⅲ 身体的自由権(人身の自由)
一 奴隷的拘束からの自由
二 適正手続の保障
三 捜査手続と被疑者の権利
四 刑事被告人の権利
五 残虐刑の禁止
六 刑罰法規の不遡及・二重処罰の禁止
〔補 遺〕
18 国務請求権・社会権
Ⅰ 国務請求権(受益権)
一 裁判を受ける権利
二 国家賠償請求権
三 刑事補償請求権
四 請願権
Ⅱ 社会権
一 生存権
二 環境権
三 教育を受ける権利
四 労働権
〔補 遺〕
◇第5章 平和主義と平和的生存権◇
19 平和主義
19-1 平和主義―日本国憲法の基本原理Ⅱ
Ⅰ 平和主義の現代的意義
Ⅱ 憲法9条の解釈と運用
Ⅲ 平和的生存権と「人権としての平和」
Ⅳ 自衛権と国際貢献
19-2 平和と人権―憲法9条から平和的生存権を考える
Ⅰ 戦後改憲論の展開
Ⅱ 憲法9条自衛隊追加論について
〔補 遺〕
20 平和的生存権―イラク派兵違憲訴訟
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ イラク派兵違憲訴訟
Ⅲ 検討―平和的生存権の具体的権利性
Ⅳ 9条裁判の展開と課題
〔補 遺〕
21 改憲論議と憲法変動の現在―コロナ禍とウクライナ侵攻の中の日本と世界
Ⅰ コロナ禍とウクライナ侵攻の中の日本と世界
Ⅱ 本特集の趣旨
〔補 遺〕
〔資料篇〕
(1) 主要参考文献一覧(和文文献・欧文文献)
(2) 著作集第7巻(日本国憲法解釈と平和)に関連する著作一覧
Ⅰ 著書・共著書・論文等
Ⅱ 国際/国内学会報告,主要講演等
(3) 著作集第7巻(日本国憲法解釈)に関する主な著作(写真)
ISBN:9784797213676
。出版社:信山社出版
。判型:A5変
。ページ数:616ページ
。定価:10000円(本体)
。発行年月日:2023年12月
。発売日:2023年12月11日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNDX。