退歩のススメ
失われた身体観を取り戻す
著:藤田 一照
著:光岡 英稔
内容紹介
【内田樹氏、推薦!】
「これだけ理論的に深く、かつ徹底的な実践の裏付けをともなった知見に触れることは稀有のことである。」
60kgの米俵を5俵担ぎ、3日3晩の行軍に徒歩で伴走し、佐渡から江戸まで2日で渡った時代ははるか昔。
聞こえなくなってしまった「からだの声」にいかに耳を傾けるか。
外に向いていた気持ちを、内側の「見えない箇所」に向けることで立ち現れる、本来の姿。
現代人が生きるために本当に大切な指針とは。
武術の稽古法と伝統的な坐禅・行法から見えてくる、日常でも実践できる稽古法と見方を詳細に伝授。
驚きのエピソードと見解が満載で、読めば読むほど
こころとからだが活き活きと動き出す!
【光岡】皮肉にも長い年月をかけて足腰をなくすための練習を私たちは日常の中で徹底的
にやってきたんです。人は足腰が奪われたり、足腰の経験が消えてしまうと一瞬にして自信を失います。
【藤田】禅宗のお坊さんの坐禅嫌いが生じています。曹洞宗の大本山である永平寺でも、
それが問題になっているんです。坐禅は本来は「おもしろい」ものなんです。道元さんは、
坐禅は「安楽の法門」なのだから、「普く勧めなさい」と言っているんですけど。
目次
第1章……足腰が消えた時代に生きている
■なぜ正坐すると足は痺れるのか
■僧の坐禅嫌いが増えている
■身体観には歴史がある
■低所恐怖症の現代日本人
■とりあえずしゃがむ姿勢から始める
第2章……精神と身体を持ってしまった現代人
■「いただきます」の世界観
■自分はどこからやってきたのか
■「からっぽ」からすべてが生まれる
■型稽古とは何か
■坐禅の身体感覚
第3章……マインドフルと瞑想
■本当は危険な坐禅
■武術が反映する思想とは
■死の不安はどこからくるのか
■分けることから「教育」を考える
第4章……生気論と機械論
■私たちは気になり、気が向いたから生まれてきた
■からだの左右観
■自信がある人は修行しない?
■型は「手を拘束する」ためにある
第5章……退歩するということ
■修行にマニュアルは必要か?
■止めることで観えるからだ
■死ぬのに力が必要な時代
■これからのからだ――体の基礎をはぐくむ
ISBN:9784794969835
。出版社:晶文社
。判型:4-6
。ページ数:224ページ
。定価:1600円(本体)
。発行年月日:2017年12月
。発売日:2017年12月18日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRFB。