老北京の胡同(フートン)
開発と喪失、ささやかな抵抗の記録
著:多田 麻美
紙版
内容紹介
北京の町並みと共に、生活習慣や人々のネットワークも消える。だが従順だった人々が乱開発に抗している。都市の発展との共存は可能か
目次
老北京の胡同 もくじ
はじめに
1部 胡同が消える――開発の光と影
第1章 止まらぬ破壊
1、立ち退きに抗する人々
2、消えゆく胡同ネットワーク
3、「自由」の領域
4、「自分の家に帰る」ための半世紀
第2章、伝統的な景観と住環境
1、時を止めた鐘楼
2、戻ってきた幻の河
第3章、断ち切られる伝説
1、消えた竜の井戸
2、鄭和の庭
2部 胡同を旅する――老北京、記憶の断片
第4章 胡同の味
1、「小吃」が守る食の伝統
2、老北京の台所事情
第5章 趣味人たちの都
1、路地に響く美声
2、骨董の都の賑わい
第6章 華麗なる花柳界
1、色町の残り香――八大胡同
2、歴史を変えた名妓
第7章 裏世界をめぐる伝説
1、北京っ子のヒーロー、燕の李三
2、スパイたちの暗躍
第8章 古都の記憶
1、北京を鳥の目で見る
2.近代化の実験場、香廠
3、波乱万丈の百年、国子監街
4、氷と明かりの巨大な蔵
終章 消えゆくものを引き留めるられるか?
1、北京のNGO、文化財保護をめぐる攻防
2、記憶の集積、「老北京ネット」の奮闘
3.小さな流れが生む力
おわりに―老北京はどこへ行く