出版書誌データベース

国が掲げている目標の「国土の均衡ある発展」は有効なのか？　現状進んでいる「東京一極集中」をこのまま是認していいのだろうか？　人口減少が避けられない日本にとって、すべてのエリアでの人口増加は不可能である。「一部エリアの人口の増加」と「その他の地域での人口減」の幸福な同居こそが現実的な解ではないのか。また災害が多い日本では、東京の一極集中はリスクを伴う。リスクを分散させ、金沢、高松、山口、長野、福岡はじめ、東京の近郊など、１０万人以上の中規模都市を豊かに、個性的に発展させることが、日本の未来を救う。建物の時間と場所のシェア、ナイトタイムエコノミー、地元農業と都市の共存……多くの工夫と創造によって、前向きな明日が生まれる。

はじめに　飯田泰之

序論　地域再生を巡る基礎理論　　
飯田泰之

1章　センシュアス・シティから見る地方都市の魅力
島原万丈

2章　開発のあとに拡がる消費空間の二極化
新雅史

3章　地域再生における建物利活用の未来
広瀬郁

4章　都市にとってのナイトタイムエコノミー
木曽崇

5章　地域経済を支える企業人たち
藤野英人

6章　地方都市住民に貢献する地域農業モデル
浅川芳裕

おわりに　飯田泰之

他著：飯田　泰之
経済学者、明治大学政治経済学部准教授。1975年東京都生まれ。内閣府規制改革推進会議委員。株式会社シノドスにおいてマネージングディレクターを務める。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。専門はマクロ経済学、経済政策。主著に『地域再生の失敗学』（共著・光文社新書）、『思考の「型」を身につけよう―人生の最適解を導くヒント』（朝日新書）、『歴史が教えるマネーの理論』（ダイヤモンド社）など。

他著：浅川　芳裕
1974年山口県生まれ。作家、翻訳家、ジャーナリスト

他著：新　雅史
1973年福岡県生まれ。社会学者