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蝶が来る庭

バタフライガーデンのすすめ

著:海野 和男

紙版

内容紹介

バタフライガーデンとは美しい花や植物を植え、それを目当てに来るチョウや
昆虫を観察して楽しむナチュラルガーデンのことである。
イギリスの生物学者ミリアム・ロスチャイルドが唱えたガーデニングの方法の一種で、
吸蜜や食草として特定の花を求めてくる蝶の好む植物・花を植えて
受粉・吸蜜の循環的生命の流れを作り出す環境にやさしい庭造りの考えでありその推奨である。
アゲハ蝶類はミカンや柑橘類を好んで食草として卵を産み付けるから
庭にはそういう植物を植えてみようとかヒャクニチソウ、ムシトリナデシコ、アザミなど
蝶の好きな花を季節ごとに植えて、四季の庭園を美しく作る法、ベランダではどうすればいいか、
チョウの好きな花の色は赤か青か、など昆虫写真家の著者が自分の庭を作りながら
撮った花と蝶の写真を満載した図鑑形式の園芸入門書。
花200種、朝120種を収めた園芸・昆虫マニアの必読書。すべての自然を愛する人へ。

目次

●はじめに ─花の名を覚えて、ナチュラルガーデンを目指そう
バタフライガーデンのすすめ
ぼくのバタフライガーデン ─吸蜜源植物と食草植物
花壇に植える花 ─チョウの好きな花が絶えず咲いているリレー方式の庭作り
飛んでくるチョウから見えてくるもの

●春のバタフライガーデン
タンポポ ─たっぷりの蜜にやってくるシロチョウ科の仲間たち
Column 在来種とセイヨウタンポポ
カタクリ ─ 集客力はやや劣るが日周運動が面白い
ユキヤナギ/コデマリ ─ホシミスジの幼虫の食草
Column ホシミスジの一生
レンゲ ─ 花壇のグラウンドカバーに向く植物
カタバミ ─ヤマトシジミの幼虫の食草
Column 季節外れのレンゲの花
ハルジオン ─ウスバシロチョウやベニシジミにとても好まれる
Column ハルジオンとヒメジョオンの違い
スミレ ─ヒョウモンチョウ類の幼虫の食草
ナノハナ/ムラサキハナナ ─モンシロチョウなど多くのチョウに好まれる
ツツジ ─アゲハチョウの仲間に好まれる
シバザクラ ─ 花が寂しい季節に彩りを添える
トベラ・ピラカンサ・ヒメウツギ ─アオスジアゲハは白い花が好き
●初夏のバタフライガーデン
ムシトリナデシコ ─ 初夏のバタフライガーデンの主役
アメリカナデシコ/カワラナデシコ
  ─チョウがとても好むが、ムシトリナデシコにはかなわない
フランスギク/シャスターディジー ─ 清楚な花がチョウにも好まれる
●6月の草地のバタフライガーデン
ムラサキツメクサ/クローバー ─ 花も葉もチョウに好まれる
ラベンダー ─モンキチョウやタテハチョウがやってくる
●ヒョウモンチョウ類の見分け方 ─裏面で区別する
●ウラギンスジヒョウモンとオオウラギンスジヒョウモンの見分け方

●夏のバタフライガーデン
イケマ ─キバネセセリはイケマの蜜が大好き
ノコギリソウ ─チョウも来るが花そのものを楽しみたい
ソバ ─シロチョウの仲間には特に好まれる
アザミ ─ 最もよくチョウを呼ぶ植物の一つ
オカトラノオ ─ 花期は短いけれどチョウをよく呼び寄せる
Column 花には来ないチョウ
モナルダ ─ 濃いピンクのものが最も好まれる
ルドベキア ─ 花期の長い丈夫な花
Column 庭に植えてはいけないオオハンゴンソウ
チョウセンヨメナ ─ 夏のバタフライガーデンには欠かせない
エキナセア ─ 長く咲き、そこそこチョウが集まる美しい花
ユリ ─ 改良されていないものほどアゲハチョウの仲間が集まる
ヒャクニチソウ(ジニア) ─ほぼすべてのチョウが好む花
●チョウの来るヒャクニチソウを選ぶ
ストケシア ─ 背が低いので植え方に注意
クルマバナ ─セセリチョウやシロチョウの仲間に特に好まれる
クサフジ ─チョウに好まれるマメ科の植物
ツルフジバカマ ─ 絶滅危惧種ヒメシロチョウの食草にも吸蜜源にも
コマツナギ ─ 絶滅危惧種ミヤマシジミの食草にも吸蜜源にも
アベリア ─ 強い香りがチョウやハナバチに好まれる
マツバギク ─シロチョウの仲間に好まれる
リアトリス ─モンシロチョウやスジグロシロチョウの大好物
バーベナ ─「幸せのハチ」ルリモンハナバチがやってくる
サンジャクバーベナ ─この一種だけでバタフライガーデンが成立
フロックス ─ 花期が長いのでバタフライガーデンに重宝
ブッドレア ─あらゆるチョウがやってくる「バタフライブッシュ」
カセンソウ ─チョウが大好きな花だが、草刈りで絶滅寸前
ブルーサルビア ─ 手間をかけられないガーデンに最適
クサギ ─ 黒系統のアゲハチョウ類にとても好まれる
ネムノキ ─カラスアゲハなどがやってくる
Column 花には来ないチョウ ─ オオムラサキを呼ぶ
ハーブ類(ミント、タイムなど) ─キッチンガーデン用に植えて一石二鳥
センニチコウ/ファイアワークス―一年草より宿根タイプがおすすめ
●食草ミツバ/ルー ─アゲハチョウ類の食草

●秋のバタフライガーデン
オミナエシ ─シロチョウの仲間などに好まれる
オトコエシ ─タテハチョウやヒョウモンチョウの仲間に好まれる
マリーゴールド ─ 一ひと重え の黄色やオレンジ色のものがチョウをよく呼ぶ
ウド ─ヒョウモンチョウの仲間にも好まれる
セージ/サルビア類 ─ホウジャクやハチに好まれる
フジバカマ ─アサギマダラはこの花が大好き
●旅をするチョウ ─アサギマダラ
コスモス ─ 手間がかからずチョウにも好まれる
ヒガンバナ ─アゲハチョウの仲間には好評
キバナコスモス ─バタフライガーデンにおあつらえ向き
ミソハギ ─シロチョウやシジミチョウに好まれる
カクトラノオ ─ 薄紫やピンクのものがチョウをよく呼ぶ
サワギキョウ ─ 和風バタフライガーデンにぴったり
クジャクアスター ─キク科アスターのなかではチョウに一番人気
ノコンギク ─ 野菊では最もチョウに好まれる
ツワブキ ─ 10月から11月にチョウをよく呼ぶ
メキシカンセージ ─チョウに好まれる数少ないサルビアの仲間
●冬のバタフライガーデン
バタフライガーデンに何を植えるか?
ベランダのバタフライガーデン
●〔寄稿〕私のあおちゃん
ベランダでも育つナミアゲハの一生
花にはあまり来ないゼフィルスだが、美しい
チョウの一生
里山の植物だけで作るバタフライガーデン
トロピカルのバタフライガーデン
宿根草の入手のしかた
困りものの植物や虫とのつきあい方 ─ヤブガラシなど
バタフライガーデンの約束事 ─ 農薬は使わない
観察記録をデジカメやスマホで
植物索引
昆虫索引

著者略歴

著:海野 和男
海野 和男(うんの・かずお)
1947年東京生まれ。昆虫の魅力にとりつかれ、少年時代は蝶の採集や観察に明け暮れる。東京農工大学の日高敏隆研究室で昆虫行動学を学び、卒業後、昆虫を中心とする自然写真家の道に進む。著書『昆虫の擬態』(平凡社)は1994年、日本写真協会年度賞受賞。ほかに『昆虫顔面図鑑』(日本編・世界編)(実業之日本社)、『大昆虫記 熱帯雨林編』(データハウス)、『蝶の飛ぶ風景』(平凡社)、『デジタルカメラで昆虫観察』(誠文堂新光社)などがある。また草思社より『すごい虫の見つけかた』『甲虫カタチ観察図鑑』『世界のカマキリ観察図鑑』『世界でいちばん変な虫 珍虫奇虫図鑑』『増補新版 世界で最も美しい蝶は何か』『海野和男の蝶撮影テクニック』。日本自然科学写真協会会長、日本動物行動学会会員など。海野和男写真事務所主宰。1990 年に長野県小諸市にアトリエを構え、バタフライガーデンを作る。公式ウェブサイトに「小諸日記」がある。

ISBN:9784794225092
出版社:草思社
判型:A4変
ページ数:144ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2021年04月
発売日:2021年04月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WMPC