草思社文庫
昭和二十年
文庫 昭和二十年 第5巻 女学生の勤労動員と学童疎開
単行本版
著:鳥居 民
紙版
内容紹介
昭和二十年から七〇年。いまなお続く敗戦の傷跡とはどのようなものだったのか。
本シリーズは、公文書から私家版の記録、個人日記にいたる膨大な資料を縦横に駆使して、
昭和二十年の一年間の日本を、時間の推移に従って描いた壮大なノンフィクションである。
著者急逝により未完に終わった(第十四巻執筆の途中で急逝)が、すでに刊行時から、
丸谷才一、井上ひさし、立花隆氏をはじめ多くの識者から高く評価されてきた。
今回、待望の文庫化によってシリーズ全巻を刊行。
工場や疎開地での悲喜交々の毎日……。
戦争末期の生徒・児童の日常生活をいきいきと描いた巻。
ほかに風船爆弾や熱線追尾爆弾などの特殊兵器開発の詳細にも触れる。
(4月15日)
目次
第18章 女学生の勤労動員と学童疎開(四月十五日)
昭和二十年の卒業式、入学式
宮城県の女学校の勤労動員
壮行会で「海ゆかば」を歌う
逗子沼間の第四寄宿舎
富士山と信濃
発射薬を詰め、スプリングをつくる
休みの日には
信濃の運命
女生徒たちの抱くぼんやりした不安
どうして女学校生徒が働くことになったのか
霞ヶ関の女子理事生
マルフと八号
マルフは炭疽菌を積むのか
楮の皮を剝ぐ
マルフ作戦の開始
敵艦船をどうやって沈めるか
体当り攻撃しかない
決戦兵器、マルケ
体当り攻撃、陸軍と海軍の考えの違い
女生徒たち、マルフ生産に大車輪
マルケ、開発研究者と陸軍幹部の考えの違い
マルフ生産の終了
女子上級学校
空襲と勤労高女生たち
集団疎開はじまる 昭和十九年八月
富山へ
城端の雪のなかで
久米川、煤ヶ谷、修善寺
学寮を公営にせよ
本所区から千葉へ集団疎開した学童
帰郷する女生徒、残留する女生徒
引用出典及び註