序
第Ⅰ部 正倉院文書研究の意義
第一章 正倉院文書研究の現状と課題
一 正倉院文書研究の現段階
二 「断簡」の「接続」の確認が意味すること
三 記載内容が意味すること
四 正倉院文書研究の今後
補論 大阪市立大学における写経所文書研究
第Ⅱ部 写経所文書の検討
第二章 正倉院文書と続日本紀 ――国家的写経機関の検討――
はじめに
一 内裏系統の写経機関の存続
二 国家的写経機関の変遷
三 国家的写経機関における写経事業
む す び
第三章 華厳経関係経典の書写
はじめに
一 華厳経の書写
二 華厳経疏の書写
む す び
第四章 写経所の施設とその変遷
はじめに
一 光明子家の写経施設
二 写経司・東院写一切経所の写経施設
三 福寿寺写一切経所・金光明寺写一切経所の写経施設
四 東大寺写経所の写経施設
五 石山写経所の写経施設
六 東大寺写経所の写経施設
七 奉写一切経所の写経施設
む す び
第五章 日本古代の写経所における紙の文書と木簡
はじめに
一 短籍と食口案
二 下道主と木簡
三 正倉院の雑札
四 往 来 類
む す び
第六章 佐保宅の性格とその写経事業
はじめに
一 正倉院文書に見える佐保宅など
二 佐保宅の写経事業
三 佐保宅の主と佐保宮
む す び
第七章 正倉院文書からみた珎努宮・和泉宮
はじめに
一 正倉院文書における珎努宮
二 『続日本紀』における珎努宮と和泉宮
む す び
第Ⅲ部 古代銭貨と正倉院文書
第八章 石山寺増改築工事の財政と銭貨
はじめに
一 「造石山院所解」(秋季告朔)の分析
二 「造寺料銭用帳」の分析
三 「米売価銭用帳」の分析
四 「雑物収納帳」の分析
五 山作所と銭貨
む す び
第九章 月借銭解に関する基礎的考察
はじめに
一 月借銭の定義と認定
二 層位構造
む す び
第一〇章 月借銭と布施
はじめに
一 宝亀四年「奉写一切経所布施文案」の成立
二 宝亀四年「奉写一切経所布施文案」の布施額
三 布施総額と月借銭の利息総額との対比
む す び
第一一章 「種々収納銭注文」をめぐる二、三の問題 ――盧舎那大仏造顕と知識――
はじめに
一 研究史の整理
二 各断簡の配列
三 「種々収納銭注文」の時期と作成
四 知識の額と封物
五 知識銭の目的と私鋳銭
む す び