序章 近世日朝関係史研究を問い直す ―中朝関係との関連性から―
一 近世対外関係史研究と東アジア
二 近世日朝関係史の先行研究――通信使を中心に
三 近世中朝関係史の先行研究――燕行使を中心に
四 研究視座と研究内容
五 利用する史料とデータベース
六 本書の構成
第一部 通信使と明清中国
第一章 通信使・燕行使の重複経験者 ―呉允謙と洪啓禧を中心に―
はじめに
一 三使中の重複経験者
二 呉允謙の回答兼刷還使経験と登極使経験の関連性
三 洪啓禧の外交使行と語学書の改修・再刊行
おわりに
第二章 通信使関係倭情咨文と明清中国
はじめに
一 明朝と回答兼刷還使
二 清朝と通信使
三 一六四三年次通信使関係の倭情咨文
おわりに
第三章 通信使の筆談と大陸情報収集
はじめに
一 易地聘礼以前の中国情報収集と通信使
二 易地聘礼以前の筆談に関する規定
三 文化易地聘礼の筆談に現れた中国情報
おわりに
第二部 対馬藩と朝鮮・中国
第四章 壬辰戦争直後の釜山開市許可をめぐる日朝中三国関係
はじめに
一 一六〇四年釜山開市許可
二 一六〇四年釜山開市許可をめぐる朝鮮と明朝
三 釜山「開市」許可後朝鮮の倭情弁誣と対日(対馬)交渉
おわりに
第五章 十七世紀前半朝鮮経由の日明通交交渉
はじめに
一 十七世紀前半朝鮮経由の日明通交交渉の全体像
二 十七世紀初頭朝鮮経由の日明通交交渉
三 「進貢」から「平遼通貢」へ――一六二九年の「日本国王使」をめぐって
おわりに
第六章 近世初期の対馬藩と大陸情報収集
はじめに
一 清の入関をめぐる対馬藩の情報収集活動
二 朝鮮から得られた情報
三 大陸情報収集をめぐる将軍と対馬藩主
おわりに――対馬藩にとっての大陸情報収集
第七章 中朝貿易と対馬藩 ―十八世紀初期八包貿易の規制励行事件を手掛かりに―
はじめに
一 「八包一件」の背景
二 八包貿易の規制励行をめぐる日朝貿易当事者の対応
三 「八包一件」の評価
おわりに
終章 近世日本・朝鮮・中国三国関係史の構築へ向けて
一 本書の内容の総括的整理
二 清朝の日本通交意志と朝鮮
三 対馬藩が認識している日中間における朝鮮の位置付け
四 対馬藩以外の目線――通信使派遣と明清中国の関連性について
五 なぜ近世日本(対馬・江戸幕府)・朝鮮・中国三国関係史が必要なのか