はじめに〈答えはない,あるのは解釈のみ〉
Ⅰ 感じ,問い,考え,解釈する
1 感じ,問い,考え,解釈する〈対象に対して自ら分析解釈する〉
1 すべては自分自身から/ 2 自由と個性という幻想/ 3 説得させられる造形〈造形から透けて見えてくる思索と言語〉
2 文章を自分なりに理解する方法その1 〈テクストを理解する〉
1 思考が広がる瞬間/ 2 本を読むということ/ 3 まとめながら読む/ 4 まとめ方のコツ
3 文章を自分なりに理解する方法その2 〈話を理解する〉
1 聴いているのに……/ 2 話を書く/ 3 メモのコツ/ 4 心のなかでしゃべっている
4 思考のかたち1 〈知っていることの多層性,思考・視点の多様性 エビチリを手がかりに〉
1 知っていることの多層性/2 映像としてイメージしたとき/ 3 ひとつの料理/ 4 写真というイメージ/ 5 思考・視点の多様性
5 思考のかたち2 〈思考・視点の多様性 その2〉
1 クリエイトと思考・視点/ 2 「今」と思考・視点
6 思考のかたち3 〈対象に対して問いかける,あるいは疑う〉
1 答えだけを求める教育/ 2 自ら問いかける/ 3 「問いかける」の色々/4 「当たり前」を「問いかける」/ 5 「問いかけ」と「今」イメージ/ 6 問いかける〈その多様性〉
Ⅱ 思考の具体的なカタチⅠ〈まねる,視点をずらす,アンチ〉
7 まねる
1 攻殻機動隊,マトリックス,ニューロマンサー/ 2 つながる知 対象を自ら分析する態度〈ブライアン・イーノを素材に〉/ 3 つながる知 対象を自ら分析する態度〈新海誠「秒速5センチメートル」〉/ 4 いろいろなところにクリエイトのヒントがある〈ミリタリーを素材に〉
8 対象に対して視点をずらす,変換する〈デニム,サブカル〉
1 デニムのダメージ/ 2 サブカルチャーとは?/ 3 未来と都市に対するイメージの変換/ 4 時代の雰囲気を表象するサブカル/ 5 「今」をクールに掬い取る視点としてのサブカル/ 6 PUNK〈創られるムーブメント〉
9 対象に対し視点をずらす,変換する〈坐すを手がかりに〉
1 どこにでも,クリエイトのヒントはころがっている
10 Apple, Diesel, Virgin〈カウンターカルチャーとして〉
1 Apple〈コンピューター界の異端児〉/ 2 音楽とアップル/ 3 Virgin〈冒険家が経営する会社〉/ 4 Diesel 〈パンクス,労働者,ミリタリー〉/ 5 それぞれの共通点〈カウンターカルチャー〉/ 6 Countor Culture から何を学べるのか?/ 7 ディスタンクシオン
Ⅲ 思考の具体的なカタチⅡ〈相対化する〉
11 フーコー〈近代としての主体の喪失〉
1 フーコーの視点
12 表面的には,みえないものをみる〈知のアルケオロジー(知の考古学)として日本の近世を読み解く〉
1 情報の読みとり/ 2 テクストの読み込み/ 3 江戸時代の建築業界に関して〈表面的な読み込みと深層レベルでの読み込みについて〉
13 コンセプチュアル・アートを手がかりに
1 レディ・メイド/ 2 相対化するアート/ 3 ポップ・アート/ 4 コンセプチュアル・アート/ 5 コスース 「1 つと3つのシャベル」/ 6 伝統になったデュシャン/ 7 行き過ぎた相対化/ 8 さらに視点をずらす
14 虚構造としての柱と壁〈軸組構造と組積構造〉
Ⅳ 思考の具体的なカタチⅢ〈デザイン・倫理・「パクリ」〉
15 先入観が現実を隠蔽する〈E.W.サイードのオリエンタリズム〉
1 基礎知識と前提/ 2 サイードの視点
16 作家性と非作家性1 〈「建築」の作家主義――その有効性と限界性〉
1 議論の前提〈創造者としての建築家〉/ 2 犠牲にされる,おびやかされる「生活」/ 3 クライアントと建築家〈受容者と作家〉/ 4 モダニズム〈20世紀建築の功罪〉
17 作家性と非作家性2 〈作家が作家を評価する――閉じた系としての建築界〉
1 作家が作家を評価する〈専門家のみによる評価の危うさと,不在化する普通の視点〉/2 1960年代という時代〈コンペの変化にみるコンセプト至上主義〉
18 作家性と非作家性3 〈柳宗悦と柳宗理〉
1 Super Normal / 2 柳宗理とアノニマス・デザイン/ 3 柳宗悦の民藝運動/ 4 ジョン・ラスキン&ウィリアム・モリスのアーツ&クラフツ運動/ 5 バウハウス〈2つの大戦の狭間で〉/ 6 作家性と匿名性,工藝と美術〈その両側で揺れ動く振り子としてのデザイン〉/ 7 世界を「イメージ」でしか知り得ない私たち/ 8 デザインという概念解釈〈イメージという「監獄」,「風船」を無限に広げていく姿勢〉
19 想像される「当り前」
1 近代日本と「日本的なるもの」探し〈建築における「日本的なもの」を問う〉/ 2 日本らしさとは?
20 デザイン・倫理・「パクリ」
1 近代建築のデスマスク〈オリジナル原理主義の終焉〉/ 2 デザイン・倫理・「パクリ」〈佐野研二郎氏のオリンピック・デザインを事例に〉/ 3 デザイン・倫理・「パクリ」〈自覚すべき最低限の倫理とは?〉/ 4 超一流とはなにか?〈三流しか知らない日本現代社会に蔓延する「とりあえず,これにしとこっかな!」の功罪〉
Ⅴ 思考の具体的なカタチⅣ〈近代を( )に入れた時代観〉
21 時間の流れ〈トレンド,モードの捉え方〉
1 時間論〈人が過去を語るとき,メタストーリーとしての過去叙述=ヒストリー〉/2 物語の限界性/ 3 限界性の自覚と歴史学的アプローチ
22 時間・時代を扱いつつ,固定された概念を疑う
1 終わり→始まり→終わり→始まり……/ 2 知らないうちに前提化するモデル/ 3 時間のモデル化/ 4 補論〈技術的制約からの解放とジレンマ――自由なのにブレるデザイン〉
23 前近代―(近代)―現代〈近代を( )に入れた時代観〉その1
1 問題意識/ 2 仮設店舗が構成する参道空間/ 3 「人のふるまい」から考える/ 4 近代以前の環境を「人のふるまい」から捉えられるのか?/ 5 ここでいう「近代」/ 6 前近代を現代から見直す/ 7 祭礼時に仮設される屋台〈その連続がつくる歩行空間とにぎわいについて〉/ 8 見直すべき文化,思想としての前近代
24 前近代―(近代)―現代〈近代を( )にいれた歴史観〉その2 川
1 「近代化」以前の人々の生活と水/ 2 人々の娯楽と川/ 3 人々の日常生活と川/ 4 モノと人の往来と川/ 5 人の往来/ 6 まとめ
Ⅵ 思考の具体的なカタチⅤ〈現代社会と消費構造〉
25 レイヤー論〈現代社会の階層性〉
1 現代社会の階層性/ 2 実力の優劣が作り出す階層性/ 3 実力の優劣が作り出す階層性と格差社会/ 4 自己選択(意識)が作り出す階層性/ 5 アイデンティティーの自己完結性と上下意識/ 6 意識が創り出す階層性/ 7 文化レイヤー,ダブルレイヤーとして
26 いなくなった「オトクイサマ」と,なくなった「ヒイキノミセ」〈社会構造とビジネス構造変化の必要性〉
1 消費者とよばれてしまう「お客様」/ 2 お得意様の再認識/ 3 「上を目指さない,若者」と購買行動
27 最 後 に