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救いの信仰女神観音

著:小島 隆司

紙版

内容紹介

観音がインド、中国、日本などの地で女性ないし女神として現れ、それがどのように展開したのか。女神として示現した観音はわたしたちに同伴して、わたしたちに手を差しのべ、見守り援助してくれる。庶民信仰の流れのなかに観音の歩みきた道とその霊験と諸相を、悠久の歴史のなかで、そして今この時にとらえる試み。この女神として見守り援助してくれる観音に頼れば、いまここでの「生」を全うすることができるであろう。庶民の救いは女神観音にありと言える。

目次

はじめに
第1章 女神観音信仰
 第1節 庶民の観音信仰
 第2節 女神観音の誕生
  (ⅰ)〝正統〟仏教における観音の性別/(ⅱ)観音の起源/(ⅲ)観音の女性性/
(ⅳ)中国・日本における観音の女神化
第2章 仏教の伝播―インドから中国へ
 第1節 仏教の成立
 第2節 仏教信仰の展開
 第3節 インド・中央アジアの仏教遺跡
 第4節 シルクロードの仏教遺跡
第3章 インド・チベット・ブータン・ネパールにおける仏教信仰
 第1節 インドの女神信仰
 第2節 チベットの仏教信仰
  (ⅰ)チベット仏教の流れ/(ⅱ)後期密教としてのチベット仏教
 第3節 ブータンの仏教信仰
 第4節 ネパールの女神信仰
  (ⅰ)ネパールの仏教信仰/(ⅱ)クマリとマチェンドラナートに対する信仰/(ⅲ)コモリン岬―観音の住処
 第5節 チベット・ブータン・ネパールの女神観音
  (ⅰ)六字観音/(ⅱ)ターラー女神
第4章 中国・台湾・ベトナム・朝鮮半島における女神観音
 第1節 中国への仏教の伝来と進展
 第2節 中国の仏教美術
 第3節 中国の女神観音
  (ⅰ)中国の観音信仰/(ⅱ)妙善説話と馬郎婦観音説話/(ⅲ)道教・娘々神/(ⅳ)普陀山観音信仰
 第4節 台湾の女神信仰
  (ⅰ)台湾における観音信仰/(ⅱ)媽祖信仰と観音
 第5節 ベトナムの女神信仰
 第6節 朝鮮半島の仏教信仰
第5章 日本への仏教伝来
 第1節 仏教の伝来前
  (ⅰ)縄文・弥生・古墳時代/(ⅱ)卑弥呼と神功皇后/(ⅲ)古墳時代後期―倭五王・継体天皇
 第2節 仏教伝来以後―飛鳥・白鳳・奈良時代
  (ⅰ)仏教の伝来/(ⅱ)〝聖徳太子〟の謎/(ⅲ)乙巳の変以後
 第3節 神仏習合
第6章 日本の観音信仰
 第1節 仏教伝来と観音信仰
 第2節 女性原理と観音
 第3節 長谷観音
第7章 諸観音の女神性
 第1節 六観音・七観音
 第2節 聖観音の女神性
 第3節 千手観音の女神性
 第4節 馬頭観音の女神性
 第5節 十一面観音の女神性
 第6節 准胝観音の女神性
 第7節 不空羂索観音の女神性
 第8節 如意輪観音の女神性
 第9節 三十三観音の女神性
 第10節 子安観音・マリア観音
第8章 三十三所観音霊場における女神観音
 第1節 三十三所観音霊場
 第2節 西国三十三所霊場における女神観音の示現
 第3節 坂東三十三所霊場における女神観音の示現
 第4節 地方霊場における女神観音
  (ⅰ)東日本の観音霊場/(ⅱ)西日本の観音霊場
第9章 物語のなかの女神観音
 第1節 日本文学に現れた女神観音
 第2節 説話のなかの女神観音
  (ⅰ)『日本霊異記』に現れた女神観音/(ⅱ)『今昔物語集』に現れた女神観音
 第3節 室町物語草紙のなかの女神観音
おわりに

著者略歴

著:小島 隆司
1941年東京・小石川生まれ。東京都立大学工学部卒業。同大学人文学部哲学科中退。日本石仏協会会員。主な著書『遊びの哲学』(メトロポリタン出版)。

ISBN:9784790603801
出版社:青娥書房
判型:4-6
ページ数:264ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2021年02月
発売日:2021年03月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QRF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QRVJ