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妙見信仰の民俗学的研究

日本的展開と現代社会

著:小村 純江

紙版

内容紹介

妙見信仰は北極星や北斗七星を神格化した信仰であるが、日本の妙見信仰は妙見菩薩に祈る信仰であり、同一の仏神でありながら形を変え、時代に沿った信仰形態を展開してきたといえる。いいかえれば、その通念が固定化され限定された信仰ではなく、時代の代表的な通念に自在に形を変えるという一面を持った信仰であるということができる。本書では、今も地域に伝わる伝承や祭礼・行事等を手掛かりとし、民俗学的な視点でフィールドワークを重ね、現在の生活の中における妙見の位置付けと地域に及ぼす影響から、それぞれの地域の妙見の特徴を探った。そしてそれらの特徴を持つ妙見信仰が、現代社会の中でどのような役割を果たしているのかを明らかにしたものである。

目次

はじめに/第一章 日本に伝えられた妙見信仰/第一節 星と人との関わりの軌跡/第二節 妙見信仰の研究略史/第三節 妙見信仰―日本における変遷と分布―/第四節 妙見の像容/
第二章 民俗学的視点からみた妙見の代表的な特徴/第一節 先行研究からみた妙見の特性/第二節 先行研究からみた妙見の特性の分析/第三節 南開東地域における妙見の特性/第四節 民俗学的視点からみた妙見の四つの特徴/
第三章 妙見信仰と地域社会/第一節 氏神として伝わる妙見―束京都稲城市百村の「妙見尊」行事から―/第二節 祭礼の中に武神として伝わる妙見―千葉県千葉市中央区の千葉神社・寒川神社の妙見の祭礼から―/第三節 大衆文化的妙見の受容―東京都墨田区の柳嶋妙見山法性寺界隈の風俗や文化の中に伝わる様相から―/第四節 変遷をたどり現代に息づく妙見―埼玉県秩父地方に伝わる妙見の祭礼や行事から―/
第四章 妙見信仰の現代的意義/第一節 現在地域に伝えられる妙見の役割/第二節 民俗信仰の視点からみた妙見信仰の位置付け/引用・参考資料/引用・参考映像・ホームページ/おわりに

著者略歴

著:小村 純江
1950年、神奈川県横浜市に生まれる。1973年、横浜国立大学教育学部卒業。1973~2010年、鎌倉市役所勤務。2013年、神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士前期課程修了。2018年、神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程修了。 博士(歴史民俗資科学)。現在、神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員。

ISBN:9784790603719
出版社:青娥書房
判型:A5
ページ数:364ページ
定価:4500円(本体)
発行年月日:2020年03月
発売日:2020年03月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC