出版社を探す

必ずくる震災で日本を終わらせないために。

著:福和 伸夫

紙版

内容紹介

★ ★ ★ ベストセラーの前作『次の震災について本当のことを話してみよう。』
が投げかけたすべての問題の徹底・本格解決編! ★ ★ ★

日本に1410兆円の損害をもたらす南海トラフ地震。
首都直下地震の損害推計も778兆円。
必ず来る次の震災は「日本を終わりにする」かもしれない。
命、社会、国を守るために! インフラ総破綻のボトルネックはここだ! !

南海トラフ地震の想定震源域で異常が観測された場合の対応を論議した中央防災会議の作業部会。その主査として、報告書のとりまとめを担った著者渾身の一冊!

地震は予知できないことがはっきりする一方、次の震災がとてつもないものだということが分かってきた。

異常観測。そのギリギリの局面にどうすべきか。
「命を守ろうとしすぎると社会が動かない」
「社会を動かそうとすれば、命は守れない」
ジレンマの中の「答え」は?

ホンネ、ホンキで話して分かった、石油、水、電力、通信のこれだけの問題点。
長期間続く、社会インフラの機能停止。
安全保障としての防災、減災!

ふんだんに盛り込んだ具体的な社会防衛策と命を守る方法。
最悪の災害でも、今からちゃんと身構えれば乗り越えられる!
「災い転じて福となす」。最強の減災・防災大全! !

目次

序章 シュミュレーション・半割れ
名古屋市に住む夫婦は緊急地震速報で目覚めた。南海トラフ地震が「西半分」だけ起きた。地元に被害はないが「今すぐか2年後か分からないが『東半分』も…」。緊張のさ中、夜、また緊急地震速報が…。

1章 予知できない時代の震災対策
「予知なき時代の南海トラフ地震対応」検討のワーキンググループ座長になった著者。「命を守る」「社会を動かす」のジレンマに挑む。

2章 日本を終わらせないためにホンネで話した
インフラを守るためには、企業も行政もホンネで話さなくてはダメ。ホンネを話さない人、できない理由を探す人たちを説き伏せていく。

3章 ホンネで語るとこんなに怖い
石油、電気、水、ガス、通信…。大災害を受けてこれだけ影響があり、復旧にこれだけかかる。詳細、徹底的な検証を展開。

4章 それでも東京に住みますか
首都東京の地下構造の危うさ。意外な死角は階段とエレベーター。首都圏マヒが日本を止める。

5章 やはり危ない建物が多い
地震の揺れを分かっていない構造設計者。設計の基本数式にも疑問が。安全が軽視される社会。ホンネの安全審査、形式の審査。

6章 諦める災害、防ぐ災害
破局的なカルデラ噴火。縄文人を壊滅させた「鬼界カルデラ」。破局噴火は諦める、巨大災害は乗り越える!

7章 これからの防災、減災
緊急地震速報の可能性と課題。空中建築やロボット建築の夢。深刻さが足りないトップの政治。災害対応市長の教訓。

著者略歴

著:福和 伸夫
1957年生まれ、名古屋市出身。名古屋大学教授・減災連携研究センター長、あいち・なごや強靭化共創センター長、工学博士、日本地震工学会会長、中央防災会議作業部会委員、地震調査研究推進本部政策委員長など。81年3月名古屋大学大学院工学研究科修了。同年大手建設会社入社。91年名古屋大学に異動、12年1月より現職。専門は、建築耐震工学、地震工学、地域防災。早期の耐震化を強く訴え、小泉純一郎政権時代には防災の国民運動作りの原動力となった。「自然災害は防ぐことは出来ないが、その被害を減らすことはできる」という信念のもと、研究のかたわら、耐震教材を多数開発し、全国の小・中・高等学校などで「減災講演」 を続けている。巨大な建物を実際に揺らすことのできる世界に類をみない研究・展示施設、名古屋大学「減災館」はその結集とも言える。著書に『次の震災について本当のことを話してみよう』(時事通信社、2017年)。

ISBN:9784788716087
出版社:時事通信社
判型:4-6
ページ数:376ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2019年03月
発売日:2019年02月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS