生命誌年刊号 vol.92-95
和 なごむ やわらぐ あえる のどまる
編:中村 桂子
内容紹介
生きものに寄り添い、語りを聴き、その物語を描く生命誌。
今号では「和」という言葉を軸として、生命誌の世界観を対話や研究を通して紹介します。
●料理家の土井善晴氏、陶芸家の樂吉左衞門氏らの、食材や土へ向ける深いまなざし、稲葉カヨ氏(免疫学)や江口吾朗氏(発生学)らの、細胞や小さな生物を見つめる研究者としての視線、いのちと和やかに向き合う人たちの言葉が心に響きます。
●研究報告のコーナーでは、細胞社会をテーマに細胞の和を探究。生きものから人を、社会を考える一冊です。
目次
和 目次
Talk 語り合いを通して
◎やわらかに和して同ぜず 長谷川櫂×中村桂子
◎土と和する芸術と科学 樂吉左衞門×中村桂子
◎自然の法則を解く問いを求めて 大栗博司×中村桂子
◎自然からいただく清らかなもの 土井善晴×中村桂子
Research 研究を通して
細胞社会を考える――植物
ボルボックスの仲間から多細胞化を探る 野崎久義
植物の世代を切換えるスイッチ遺伝子 榊原恵子
細胞社会を考える――無脊椎動物
幼虫が昇る「大人への階段」 大原裕也
線虫が親から子に伝える「記憶」 宇野雅晴
細胞社会を考える――脊椎動物
飢えからからだを守る脳の神経回路 中村佳子
血管の「かたち」をつくる細胞たち 木戸屋浩康
細胞社会を考える――単細胞生物
細菌社会の情報運び役 メンブレンベシクル 豊福雅典
ひとつの細胞の中のはたらく核と続く核 片岡研介
◎生命誌アーカイブから「細胞社会」を考える
Scientist library 人を通して
◎対称性を破る動物の形づくり 濱田博司
◎生きもののしくみを構造に観る 難波啓一
◎イモリのレンズ再生に魅せられて 江口吾朗
◎しなやかに、たおやかに、樹状細胞と共に 稲葉カヨ
あとがき
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