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[決定版]原発の教科書

編:津田 大介
編:小嶋 裕一

紙版

内容紹介

◆反対/推進の二項対立の陰、原発新設は着々と進む!
 再生エネルギーへと向かう世界の動向に逆行し、遂に政府はエネルギー基本計画に原発の新増設や建替えの必要性の明記を検討することとしました。本書では反原発派/推進派の対立図式の先鋭化が招くリスクを踏まえ、特殊な被災経験をもつ日本こそが知る事実と提言を、各界第一人者の書き下ろしで紹介します。廃炉、廃棄物、核武装、抑止力、原子力協定、交付金、避難計画、コスト、倫理他30項目に、前新潟県知事・泉田裕彦氏、東浩紀各氏と編者との徹底討論、もんじゅ君の漫画、武田徹氏他によるコラムも添えて、今後の原発課題を丁寧に解説します。

目次

[決定版]原発の教科書 目次
巻頭によせて 津田大介

〈原発〉基礎知識 小嶋裕一
  原子力年表 / 原発地図 / 世論調査 / 東京電力福島第一原発事故概要 / 基本ワード

それでも醒めない「もんじゅの夢」 もんじゅ君

第Ⅰ章 原発の現在
  論点整理
  [エネルギー基本計画] 偏りと漂流――現在のエネルギー政策について 橘川武郎
  [廃炉] 福島第一原子力発電所の廃炉の前途――混迷からの救出 佐藤暁
  [避難計画] 原発避難計画の問題点 上岡直見
  Column1 原発訴訟 河合弘之
  [避難者] 帰還政策が奪う地域の未来――福島県民に何が起きているのか? 山下祐介
  Column2 風評被害をめぐる「福島の食」の分断 小松理虔
  [原発輸出] 日本の原発輸出と核不拡散 鈴木真奈美
  Column3 不可解な「規制の虜」 黒川清
  INTERVIEW1 歴史に対して責任を果たしたい――元新潟県知事・泉田裕彦氏に聞く(津田大介)

第Ⅱ章 原発を考えるための4つのポイント
  論点整理
  [供給安定性] エネルギー安全保障から見た原子力 秋山信将
  [環境性] 地球温暖化対策と原子力発電 高村ゆかり
  [経済性] 原子力発電事業のリスクとコスト――持続可能性を検証する 高橋洋
  Column4 原発に関する安全安心 神里達博
  [安全性] どこまで安全であれば十分安全か? 佐藤暁
  Column5 核融合発電の可能性 小嶋裕一
  講演 夢からさめたこの国は、これからどこに向かうのか 小泉純一郎

第Ⅲ章 「核」か「原子力」か
  論点整理
  [核武装] 核燃料サイクルと独自核武装の“幻影” 太田昌克 
  Column6 独自核戦力のコストと核武装の代償 武田康裕
  [日米原子力協定] 日米原子力協定――日本の再処理とプルトニウム保有への米国の懸念
  新外交イニシアティブ 日米原子力エネルギープロジェクトチーム
                   (猿田佐世・平野あつき・久保木太一・西原和俊)
  [六ヶ所村] 核燃料サイクルと「六ヶ所村」 長谷川公一
  [放射性廃棄物] 日本における高レベル放射性廃棄物の最終処分の状況と問題点 伴英幸 
  [オンカロ] 「オンカロ」レポート 核のごみの最終処分場を訪ねて 小嶋裕一
  [合意形成] 「核のごみ」最終処分場にかかわる合意形成のために 今田高俊
  INTERVIEW2 誰にも保障できない10万年後の安全
  映画監督・マイケル・マドセン氏に聞く(津田大介)

第Ⅳ章 原発の未来
  論点整理
  [脱原子力] 脱原子力を決めたドイツ──背景と課題 熊谷徹
  [交付金] 原発立地自治体と交付金 清水修二
  Column7 もし本気で脱原発を望むのなら 武田徹
  [立地自治体] 原発が亡びても地方は生き残る 村上達也
  [核燃料サイクル] 原子力政策の今後──対立を超えて、根本的改革に取り組め 鈴木達治郎
  Column8 風評の固定を生む、福島の語りにくさ 小松理虔
  Column9 囚人のジレンマと福島第一原発事故 武田徹
  [倫理] 原発は倫理的存在か 東浩紀
  鼎談 なぜ我々は「原発」を忘れたいのか――報道・ネット空間・無気力の連鎖から、先へ
  東浩紀 × 津田大介 × 小嶋裕一

ISBN:9784788515369
出版社:新曜社
判型:A5変
ページ数:360ページ
価格:2400円(本体)
発行年月日:2017年09月
発売日:2017年09月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:THY