つむぐ 生命誌年刊号vol.84-87
(発行・JT生命誌研究館、発売・新曜社)
編:中村 桂子
内容紹介
◆生きることは時をつむぐこと◆
生命科学研究はめざましい進展をみせていますが、それが科学の知を超えて、宮沢賢治のいう「ほんとうの賢さ」「ほんとうの豊かさ」の知になるためには、何をすればよいのでしょうか。人間が自然の一部である社会を求めて、多彩な人たちの知恵を織り込み、一冊に紡ぎました。物理学の蔵本由紀氏、国際アンデルセン賞作家賞受賞の上橋菜穂子氏、生命誌に深い関心を寄せる高村薫氏らとの対談では自然・社会・文明など、多岐にわたるテーマが縦横に語られます。
また研究者紹介ではノーベル賞受賞の大村智氏、京都大学総長の山極寿一氏らが生命への熱い探求心を語ります。巨大ウイルスなどについての最新研究リポートも見逃せません。
目次
つむぐ 目次
はじめに
Talk 語り合いを通して
◆生きものの物語を紡ぐ 上橋菜穂子 × 中村桂子
◆緯(よこいと)としての非線形科学 蔵本由紀 × 中村桂子
◆距離と尊重をもって自然に接する 崔 在銀 × 中村桂子
◆身体を通して言葉を超えた世界へ 髙村薫 × 中村桂子
Research 研究を通して
◆ウイルスから「生きている」を考える
巨大ウイルスから見える新たな生物界の姿 緒方博之
ウイルスに寄生する「小さな核酸」 増田 税
◆葉緑体とミトコンドリアから「生きている」を考える
葉緑体と植物進化の光と陰 田中 寛
コラム 核ゲノムとオルガネラゲノムの関係を考える――クラウドゲノムという捉え方
父由来のミトコンドリアゲノムが消されるしくみ 佐藤美由紀
◆微生物との関わり合いから「生きている」を考える
腸内細菌と宿主の肥満をつなぐ受容体 木村郁夫
マトリョーシカ型共生が支えるシロアリの繁栄 本郷 裕一
◆ヒトゲノムから「生きている」を考える
縄文人の核ゲノムから歴史を読み解く 神澤秀明
ヒトから知るエピジェネティクスと進化 有馬隆博
Scientist Library 人を通して
◆新しい微生物創薬の世界を切り開く 大村 智
◆「人間とは何か」を密林にたずねる 山極寿一
◆化学の眼で見る海の毒 安元 健
◆大腸菌から霊長類へ、進化し続ける脳と私 山森 哲雄
あとがき
生命誌ジャーナル掲載号一覧