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看護・介護・保育の心理学シリーズ 1

人間理解の心理学

こころの物語のよみ方

編:志賀 令明

紙版

内容紹介

◆看護・介護・保育の心理学シリーズ 第1巻◆

ケアする側がケアされる側をいかに理解するかは、自分の属する世代の文化のみならず、ケアされる側が体験 してきた文化あるいは社会での出来事を幅広く知ることにかかっています。本書はこうしたコンセプトから、看護・介護・保育の現場に働く若 い援助者を読者対象に、幼児から高齢者までの各世代の人々が生きてきた時代や今生きている時代の物語を話題の中心とし、各世代のこころの 特徴および「少子化」「晩婚化」「若者の過剰な自己規定」「嗜癖・依存」「地域社会の崩壊」など、現代社会にみられるさまざまな問題の背 景を考えています。編者は福島県立医科大学看護学部教授。

目次

人間理解の心理学─目次

はじめに 
[看護・介護・保育の心理学シリーズ]刊行にあたって
まえがき
 
第1章 少子高齢時代の心理学
1 はじめに
2 少子高齢社会の諸問題
(1)高齢社会が抱える諸問題
(2)少子化の進展が抱える諸問題
3 「希望がもてない社会」の心理学
4 ポストモダンとはなにか
5 競争社会と職場ストレスだけが問題なのか
【レポート課題】
【参考書】

第2章 情報化の時代と欲求充足メカニズム
1 はじめに
2 インターネットの普及は世界をどう変えたか
3 飽食の時代の欲望と「退屈さ」
4 「退屈さ」と空虚感
5 なぜ「肉食系・草食系」なのか
【レポート課題】
【参考書】
 
第3章 自己愛損傷と人格障害および解離のメカニズム
1 はじめに
2 孤独さの由来
3 境界型人格障害とアイデンティティ
4 ケータイの時代と、境界型人格障害の軽症化
5 自己愛損傷と「解離」の時代
【レポート課題】
【参考書】
 
第4章 現代日本は格差社会なのか?
    ― 晩婚化と少子化の心理学
1 はじめに
2 「格差社会」とはどのような社会なのか
(1)格差とは
(2)経済成長がもたらすもの
(3)文化変容のもたらすリスク
3 豊かな社会と晩婚化
4 少子化社会をもたらすものとは
(1)GDPと少子化
(2)豊かさと少子化
(3)格差社会と少子化
【レポート課題】
【参考書】

第5章 嗜癖・依存で示す生きづらさ
    ― 時代と家族の変貌
1 はじめに
2 地域社会の崩壊と家族の崩壊
3 行動への依存
(1)嗜癖となりやすい行動
(2)不安という時代の空気
(3)子ども時代の不安の蓄積と低い自己評価
4 おわりに ― どう対応すべきか
【レポート課題】
【参考書】
 
第6章 高齢者の過ごしてきた時代背景
1 はじめに
2 大正の終わりから終戦に至るまでの日本
3 当時の農村女性のおかれた境遇
4 団塊の世代の親としての高齢者
5 高齢者と先祖供養
【レポート課題】
【参考書】
 
第7章 現代の高齢者のこころのはたらきとその特徴
1 はじめに
2 単身高齢者が増えている
3 高齢者の抱えるさまざまな身体的・精神的症状
(1)高齢者と認知症
(2)高齢者とせん妄
(3)高齢者とうつ
(4)高齢者とがん
4 高齢者と死
【レポート課題】
【参考書】

第8章 進化心理学からみた大人になるということ
1 はじめに
2 社会的存在としての人間
(1)大人になる過程
(2)社会的存在の芽生え
(3)社会的存在としての関係性の習得
(4)社会的関係の表現としての物理的距離
(5)社会的関係と自律
3 進化史からみた繁殖戦略
(1)生物の繁殖戦略
(2)男女の繁殖戦略の違い
(3)繁殖戦略からみた家族
(4)親密さと攻撃性
【レポート課題】
【参考書】
 
第9章 成人期のこころのはたらきとその特徴
1 はじめに
2 「物語」が機能していた時代
(1)戦後~昭和30年代まで
(2)昭和40年代~60年代(高度成長期~バブル期)
(3)経済の高度成長と「食習慣の変化」
3 消失した「物語」
(1)バブルの崩壊と不景気
(2)2000年代と成人後期
【レポート課題】
【参考書】
 
第10章 親子関係の意味は変わったのか
1 はじめに
2 恋愛と結婚はどう違うのか
3 純粋な関係としての家族像
4 高齢者たちはなぜ消えたか
5 児童虐待と親子関係
6 看取り看取られる関係としての親子関係は可能か
【レポート課題】
【参考書】
 
第11章 老年看護・介護現場の心理学
1 はじめに
2 新しい老年期の意味
3 老年看護学の特徴
4 老年看護・介護と心理学
【レポート課題】
【参考書】
 
第12章 成人看護現場の心理学
1 はじめに
2 成人の看護の特徴
3 経過別成人看護学
4 成人看護と心理学
【レポート課題】
【参考書】
 
第13章 小児看護現場の心理学
1 はじめに
2 子どもにとっての入院という体験
3 入院する子どもへの援助
(1)環境づくり
(2)子どもへのプレパレーション
4 病気を抱える子どもと家族
(1)子どもや家族にとっての病気になることの意味
(2)子どもへの病気の説明
5 おわりに
【レポート課題】
【参考書】
 
第14章 災害と被災の心理学
1 はじめに
2 東日本大震災と原発事故
(1)巨大地震による恐怖
(2)巨大津波による恐怖
(3)原発事故による恐怖と不安
3 大震災発生時の病院の状況
4 大震災直後の避難所生活とこころのケア
(1)大震災直後の避難状況
(2)避難者のこころのケア
(3)避難所生活をする人への留意点
5 大震災発生後1年を経てからのこころのケア
【レポート課題】
【参考書】
 
第15章 被災地での支援からの学び
    ― 心のケアチームの活動を通して
1 はじめに
2 何が現実であるのかが捉えにくい状況での判断の難しさ
3 本人を取り巻く環境を考慮した治療 ― ケア計画の必要性
4 災害および原発事故がもたらした環境の変化と精神的影響
5 その土地に暮らす人々の文化とこころの健康
6 災害時の支援を行ううえで大切にしたいこと
【レポート課題】
【参考書】
 

文  献
人名索引
事項索引

ISBN:9784788513167
出版社:新曜社
判型:A5
ページ数:208ページ
定価:2100円(本体)
発行年月日:2012年12月
発売日:2012年12月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD