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看護・介護・保育の心理学シリーズ 2

心理臨床的支援の方法

カウンセリングのすすめ

編:菅 佐和子

紙版

内容紹介

本書は、病者・高齢者や家族、子どもの心理を理解し、的確に支援するために必要な臨床心理の知識と方法を解説しました。ヒューマン・ケアの現場では、とかく「人柄」「経験」が重要とされますが、カウンセリングの知見と応用のポイントを学ぶことによって、感情交流の質を上げるためのよりたしかな方法を身に付けることができます。編者は、京都大学医学研究科看護科学コース教授。

目次

心理臨床的支援の方法 目次
[看護・介護・保育の心理学シリーズ]刊行にあたって
まえがき 
 
第1章 対人援助に必要なカウンセリングの「こころ」
1 人間のこころが求めるもの
(1)共感とは何か
(2)共感を示す応答のコツ
2 共感を示す応答はどれだろう? ― レッツ エクササイズ!
(1)大学1年生・B君の事例
(2)治療の見通しに不安をもつ患者・Cさんの事例
(3)認知症の実母を施設に入居させた家族・Dさんの事例
3 相手にとって役に立つ応答とは
【レポート課題】
【参考書】
 
第2章 さまざまなカウンセリングの理論・技法
1 はじめに
2 人間主義的心理学に基づくカウンセリング
(1)来談者中心療法
(2)フォーカシング
(3)トランスパーソナル・セラピー
3 無意識を重視するカウンセリング
(1)精神分析
(2)分析心理学(ユング派)
4 行動療法
(1)新行動S-R理論
(2)応用行動分析モデル
(3)社会学習理論
(4)認知(行動)療法
【レポート課題】
【参考書】
 
第3章 発達障害の理解とカウンセリング
1 はじめに
2 発達障害とは
(1)軽度発達障害について
(2)発達障害はどれくらいあるのか?
(3)発達障害かどうかを、どう判断するか?
3 発達障害のカウンセリングのポイント
(1)「肯定的体験」としてのカウンセリング
(2)内的世界の推測と共感的理解
(3)実行可能性の高い具体的な提案
4 保護者へのカウンセリング
(1)障害児をもつ親が抱えるストレス
(2)障害受容について
5 おわりに
【レポート課題】
【参考書】
 
第4章 精神科看護とカウンセリング
1 はじめに
2 精神科におけるチーム医療 ― 看護師の役割
3 病理水準別のこころの構造
4 病理水準に合わせたかかわり方
(1)精神病水準の患者へのかかわり方
(2)人格障害水準の患者へのかかわり方
(3)神経症水準の患者へのかかわり方
5 おわりに
【レポート課題】
【参考書】
 
第5章 児童・思春期心身症の看護とカウンセリング
1 はじめに
2 Aさんの事例
3 事例の理解
(1)子どもの心身症
(2)過敏性腸症候群について
(3)心理社会的要因の関与の見極め
4 対応のポイント
(1)初回面接の重要性
(2)面接のすすめかた
(3)環境調整
(4)思春期心性への配慮
5 Aさんのその後と、カウンセリングで目標にしてきたこと
【レポート課題】
【参考書】
 
第6章 慢性疾患(糖尿病)看護とカウンセリング
1 はじめに
2 医療モデルと成長モデル
(1)医療モデルに従ったアプローチ
(2)成長モデルに従ったアプローチ
3 エンパワーメント・アプローチ
(1)エンパワーメント・アプローチの実際
(2)エンパワーメント・アプローチによるカウンセリング
4 おわりに
【レポート課題】
【参考書】
 
第7章 失語・失行・失認(脳器質性疾患)の看護・介護とカウンセリング
1 はじめに
2 ブローカ失語と口腔顔面失行・観念失行・構成失行の患者
3 カウンセリングの経過
【レポート課題】
【参考書】

第8章 妊娠・出産とカウンセリング
1 はじめに
2 母親の心理
(1)母親の心理の特殊性
(2)産後の心理
3 産後に注意すべき精神症状(不眠・うつ・強迫症状)
4 さまざまな心理的危機
(1)赤ちゃんの入院
(2)赤ちゃんが早く・小さく生まれた場合
(3)赤ちゃんの障害
(4)赤ちゃんの死をどう受け止めるか
(5)赤ちゃんの死をどうこころにおさめるか
5 妊娠・出産とカウンセリング
【レポート課題】
【参考書】
 
第9章 HIV看護とカウンセリング
1 はじめに
2 HIV感染症/エイズ患者の事例
3 援助的な質問とは
(1)セクシュアリティの多様さ
(2)開かれた質問
(3)援助的なコミュニケーション・スキルのチェック
(4)自分の価値観・感に気づく
4 HIV感染症の苦悩
(1)HIV感染症は「関係」に生じる苦悩である
(2)HIV感染症は「ライフ(life:生命・生活・人生)」のあらゆる
  側面に影響を与える 
5 想定しうる難問発生状況
(1)伝える/伝えない
(2)服薬アドヒアランス
(3)保健行動
(4)物質関連障害(物質乱用など)
(5)人間関係や性行為
(6)心理状態
6 臨床心理士との連携
(1)臨床心理士やカウンセラーに相談を持ちかけるときに
(2)相談を持ちかけたあとで
7 おわりに
【レポート課題】
【参考書】
 
第10章 高齢者看護・介護とカウンセリング ― 認知症を中心に
1 はじめに
2 ある認知症の事例
3 カウンセリングの経過
4 おわりに
【レポート課題】
【参考書】
 
第11章 ターミナルケアの場での看護・介護とカウンセリング
1 はじめに
2 患者さんのこころを聴く
(1)必ず来る終わり
(2)死への意識 
(3)Aさんの場合 
3 家族のこころを聴く
4 おわりに ― こころを聴く側に問われるもの
【レポート課題】 
【参考書】 
 
第12章 家族を支える看護カウンセリング ― 共倒れ・虐待を防ぐために

1 はじめに
2 義母の介護に疲れた主婦
(1)Kさんの事例
(2)解説
3 病弱な子どもを抱える若い母親
(1)Rさんの事例
(2)解説
【レポート課題】
【参考書】
 
第13章 福祉に生かすカウンセリング
1 一般的なイメージのカウンセリングと、福祉現場における
  カウンセリング
2 施設生活に適応できない障害者支援施設入所者への
  カウンセリング
(1)A子さんの事例
(2)A子さんのカウンセリングのポイント
3 退院後の不安をもつ患者へのカウンセリング
(1)Sさんの事例
(2)Sさんのカウンセリングのポイント
4 おわりに
【レポート課題】
【参考書】
 
第14章 現場のテーマを研究へつなぐ
1 実践から研究へ ― 心理学研究とは何か
(1)知識の源
(2)実践研究のすすめ
2 探求への出発点 ― 研究スタイルの違い
(1)量的研究と質的研究
(2)統計的研究と事例研究
(3)仮説検証的研究と探索的研究
(4)縦断的研究と横断的研究
3 いかに探求するか ― 研究方法の違い 
(1)観察法
(2)面接法 
(3)調査法 
(4)実験法 
4 心理測定の基礎 ― 信頼性と妥当性 
(1)信頼性 
(2)妥当性 
【レポート課題】 
【参考書】 
 
第15章 研究方法の基礎を学ぶ
1 心理測定の実際 ― 性格検査を通して
(1)質問紙法 
(2)作業検査法
(3)投映法 
2 心理統計の基礎 ― 測定の尺度水準 
(1)比例尺度 
(2)間隔尺度 
(3)順序尺度 
(4)名義尺度 
3 心理統計の実際1 ― 似たものを探す 
(1)相関 
(2)相関係数 
4 心理統計の実際2 ― 違いを見つける 
(1)検定の原理 
(2)検定の方法 
【レポート課題】 
【参考書】 

ISBN:9784788511972
出版社:新曜社
判型:A5
ページ数:216ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:2010年04月
発売日:2010年04月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VSP