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ねむり学入門

よく眠り、よく生きるための16章

著:神山 潤

紙版

内容紹介

なぜヒトは「夜ふかし朝寝坊」になりやすいのか? 徹夜の運転は酒気帯び運転より危険? 寝不足は肥満と老化の元? 睡眠と成長ホルモン分泌の関係は? ──思いこみで語られがちな「睡眠」をめぐる科学的知識を、最新の睡眠研究のデータを挙げつつ懇切に紹介します。自分の身体の声を聴くことを忘れた現代人への、「生体時計」を考慮した生き方のすすめ。著者は米国で睡眠の基礎的研究に従事し、帰国後、日本の子どもたちの遅寝遅起きの実態に衝撃を受けて「子どもの早起きをすすめる会」をたちあげ、精力的に啓蒙活動を続けている小児科医です。現在は東京ベイ・浦安市川医療センター センター長。

目次

◆ねむり学入門――目次
  目 次
ねむり学入門・目次
はじめに i
第1章●眠りの現状● 世界でいちばん眠っていない国民は?
“遅寝早起き”の日本人
何が睡眠時間を左右しているか
大学生の睡眠時間は

第2章●眠りを眺める● レム睡眠とノンレム睡眠はどう違う?
「眠り」をどう記録するか
脳波=脳が発する電気信号
寝入りばなのサインは「目の動き」
ノンレム睡眠とレム睡眠 
脳細胞が活動中の脳波は振幅が小さい
レム睡眠の特徴 
明け方に向けて長くなるレム睡眠 
睡眠ポリグラフィーと睡眠日誌 

第3章●眠るのは脳● 脳のどの部分が眠るのか?
睡眠中枢と覚醒中枢 
ヒトはなぜ睡眠と覚醒を繰り返すのか 
神経細胞の活動が筋肉に伝わるまで 
血流からわかる脳の働き 

第4章●寝不足では……● 徹夜明けの運転はこんなに危険!
断眠実験 
眠りと「ひらめき」の関係 
睡眠不足は脳のリスク 
寝ないと老化が早まる!? 
寿命が長い人たちの睡眠時間は 
寝不足が大事故の原因だった! 

第5章●眠りと年齢● 「子どもは夜になったら寝る」!?
赤ちゃんに見るフリーラン現象 
地球時刻と生体時計 
大人も子どもも「夜ふかし朝寝坊」になりやすい 
年齢とともに変わる睡眠時間 
昼寝の習慣と文化の関係 
「午後2時」の生理的眠気への対処法 

第6章●寝さえすればいつ寝てもいい?● ポイントは光と規則性
夜型人間の問題は世界共通 
4~6歳児の睡眠習慣と行動との関係 
朝の光が脳に与える影響その1――生体時計の調整 
朝の光が脳に与える影響その2――セロトニンの働きを高める 
夜の光がもたらす危険 
生体時計と地球時刻のズレはなぜ生じたか? 

第7章●眠気をもたらす物質● 暗くなると出てくるメラトニンの役割
100年前に発見されていた「睡眠物質」 
眠気をさますカフェイン、眠くなる風邪薬……
熱の出る睡眠物質「ムラミルペプチド」 
さまざまな睡眠物質 
子どもの成長に不可欠な「メラトニンシャワー」 

第8章●眠りと関係する物質● 「成長ホルモン」をめぐる誤解
夜ふかしは成長ホルモンを減少させる? 
成長ホルモンが出やすい時間帯はあるか? 
「寝ないと太る」身体のメカニズム 
食事と「午後2時の眠気」の関係は? 

第9章●さまざまな眠り● 動物たちの眠り方 
眠りと遺伝子 
寿命が短い「短時間睡眠ハエ」 
もし脳が半分ずつ眠れたら 
肉食獣はよく眠り、草食獣の眠りは少ない 
「ヒトの眠り」あれこれ 

第10章●ヒトと光● 夜の光にはご用心!
朝と夜では光の効果が逆転する 
生活リズムの日内変動と季節変動 
サマータイムは百害あって一利なし 
「明るい夜」の脅威 

第11章●眠りに関連した病気● 眠れなくても眠りすぎても……
眠りに関連した8つの病気 
不眠に悩む大人は5人に1人 
睡眠時無呼吸はどのように起こるか 
睡眠時無呼吸の予防と治療 
ナルコレプシーと睡眠不足症候群 
睡眠のリズムがズレてしまう人たち 
時差ボケの傾向とその対策 
交代勤務者の健康を維持するには 
睡眠随伴症――寝ぼけから夜尿症まで 
レストレスレッグズ症候群 
長時間睡眠者と短時間睡眠者 

第12章●睡眠衛生の基本● まずは朝の光を浴びることから
午前中から眠くなる子どもたち 
セロトニンとメラトニンを高める行動 
昼寝と夜ふかし 
過剰なメディア接触が眠りを奪う 
「入眠儀式」は安心のためのおまじない 
「気合いで早起き」の科学的根拠 
ヒトの身体はもっとも身近な自然 

第13章●眠りの社会学● 寝不足のまま働きつづける日本人へ
「ウサギとカメ」、もうひとつの読み方 
日本人の睡眠時間と労働生産性 
精神論はどこまで通用するか 
「眠気を吹き飛ばす薬」の功罪 
不眠は自殺の引き金になる? 
セロトニンがたりないと目先の欲に流されやすい 
生きる脳、感じる脳、考える脳 
生体時計を考慮した生き方を 

第14章●リテラシー● 自分にとってのベストな眠りとは
適正睡眠時間を知る目安 
メディア情報の落とし穴 
読み聞かせは脳にも効く 

第15章●未解決の問題● 眠りのメカニズムは謎だらけ
新生児微笑――筋肉のピクツキはなぜ起こる? 
腹時計――食事時間と生活リズム 
午前睡――現時点ではすすめられない 
習慣時計――生体時計との関係は? 
惰眠の戒め――寝すぎはなぜ身体によくないのか 

第16章●これから親になるあなたへのメッセージ● 子どもの潜在能力を引き出す眠り
子どもでも実証された「寝ないと太る」 
メラトニンシャワーを浴び損ねると? 
「夜泣き」の原因はどこにあるのか 
「突然死」を防ぐために 
赤ちゃんも放っておけば夜ふかしになる 
熱が出たら、まず病院? 
子どもとしっかり向き合う余裕をもつ 
附録●排泄の話● おろそかにしてはいけない快便 
おわりに――「医眠同源」の原理を知る 
参考文献 
図版出典一覧 (6)
索引 (1)

ISBN:9784788511903
出版社:新曜社
判型:4-6
ページ数:216ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2010年04月
発売日:2010年04月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MBN