はじめに
第1部 理論篇
第1講 言葉の三角形――絵と声と文字の相関
1 見知らぬ木の実
2 言葉の三角形
3 記号の世界へのアプローチ――マンガのオノマトペ
第2講 言語思想の二大潮流――ソクラテスからソシュールまで
1 言葉に憑かれた人たち
2 真の名と「ソクラテス問題」
3 「アリストテレス問題」とソシュール
4 幽閉された子どものテーマ
第3講 幽霊が書いた文学
1 カスパー・ハウザーの謎
2 飲酒とドラッグの文学
3 オカルトからシュルレアリスムまで
4 幽霊が書いた文学
5 疑似科学の意義
第4講 メディア表現の考古学(ルビ:アルケオロジー)
1 知の地殻変動
2 思考の考古学(ルビ:アルケオロジー)
3 読み書き能力の考古学(ルビ:アルケオロジー)
4 文字に取り憑かれた人たち
第2部 歴史篇
第5講 風景描写の歴史と近代文体の起源
1 言葉の三角形の歴史的変容
2 俳句の風景
3 浮絵と近代的風景の萌芽
4 眼鏡絵と風景の革新
5 写生画と写生文
第6講 言文一致と近代文体の成立
1 言葉の三角形の近代的変容
2 錦絵新聞と毒婦の事件
3 過熱化と規制
4 傍聴筆記速記術の誕生
第7講 俗語革命と国民国家
1 俗語革命
2 想像された共同体
3 パトリーとネーション
4 郷土と国家の矛盾
5 郷土の解体と〈郷土〉の探求
第8講 近代文体に抗う語り――柳田国男の『遠野物語』
1 決別と始まりの過渡で
2 アナザーストーリー
3 神隠しの語り口(ルビ:ナラティブ)
4 伝説と昔話、神話と「物語」
第3部 実践篇
第9講 単一言語と方言の壁の乗り越え方――宮沢賢治とイーハトーブ
1 〈郷土〉の理想と限界――「常民」とは誰か
2 方言の壁
3 訛りを書く「あいぜん文字」
4 エスペラントとイーハトーブ
5 オノマトペは四度仕事をする
第10講 二度目の言文一致とマンガの言葉
1 メディアと言葉の現代化
2 ハムサンドイッチ――近世/近代/現代のメディア編制
3 言葉の戯れと言文一致の運命
4 〈マンガ〉的な文学――吉本ばなな
第11講 私のマンガ研究――〈絵〉の〈声〉の聞き方
1 マンガになる/ならない
2 墓場奇太郎の誕生と成長
3 紙芝居というテクスト
4 〈絵〉の〈声〉を聞く
5 「コケカキイキイ」の行方
第12講 〈描く〉こと(ルビ:ドローイング)と〈書く〉こと(ルビ:ライティング)――続・私のマンガ研究
1 言葉の流れ
2 描線の軌跡と文字の筆跡と声の痕跡
3 近代的思考の乗り越え
4 ラインの比較人類学
5 マンガのなかの言葉の流れ――「マンガシンキング」
6 メディア史の縮図と言葉の三角形の未来――結びにかえて
おわりに