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青弓社ライブラリー 95

占いをまとう少女たち

雑誌「マイバースデイ」とスピリチュアリティ

著:橋迫 瑞穂

紙版

内容紹介

少女向け占い専門雑誌「マイバースデイ」を軸に女性誌やファッション誌にも目配りして、1980年代、90年代、2000年代の少女と占いの関係性を描き出す。宗教ブームやオウム真理教の影響、女性の社会進出なども絡めて、社会的・文化的な背景を解き明かす。

目次

序 章 雑誌「マイバースデイ」とその時代
 1 「宗教ブーム」のなかの「占い/おまじない」
 2 変化する「占い/おまじない」
 3 雑誌とジェンダー

第1章 現代社会での宗教の位置とその変遷――ピーター・L・バーガーの議論を手がかりに
 1 宗教の「世俗化」とは何か
 2 近代化での社会の変容と「世俗化」
 3 宗教の「市場」化と消費者の出現
 4 宗教が若者に見直されるとき
 5 近現代での宗教の再発見

第2章 「マイバースデイ」の「占い/おまじない」
 1 雑誌としての「マイバースデイ」
 2 「マイバースデイ」の「占い/おまじない」
 3 「魔女っこ」の登場
 4 努力としての「おまじない」
 5 読者と「マイバースデイ」
 6 「マイバースデイ」の世界観

第3章 「マイバースデイ」における「手作り」と少女
 1 「ライフスタイル」と「手作り」
 2 「マイバースデイ」の「おまじない」グッズ
 3 エミール・シェラザードによる「おまじない」
 4 イベントでの手作りと「おまじない」グッズ
 5 「マイバースデイ」での手作りとその意味

第4章 一九九〇年代「マイバースデイ」の「占い/おまじない」
 1 一九九〇年代「マイバースデイ」に見られるライフスタイルの記事
 2 一九九〇年代「マイバースデイ」の「占い/おまじない」
 3 「心理テスト」と「ランキング」
 4 「占い/おまじない」の広がりと拡散
 5 「占い/おまじない」から精神世界へ
 6 一九九〇年代「マイバースデイ」の「占い/おまじない」の変化とその役割

第5章 〈知識〉としての「占い/おまじない」の共有と少女――読者投稿欄「ハローバースデイ」の分析から
 1 「ハローバースデイ」の概要
 2 「KH Coder」を用いた「ハローバースデイ」の分析
 3 一九八〇年代「ハローバースデイ」と「占い」の投稿
 4 「おまじない」の創作と共有
 5 一九九〇年代の「ハローバースデイ」
 6 一九九〇年代の「ハローバースデイ」の「占い/おまじない」関連の投稿の特徴 
 7 〈知識〉としての「占い/おまじない」と少女たちの「天蓋」

第6章 女性と「占い/おまじない」――鏡リュウジと女性誌を事例として
 1 活動状況と概要
 2 女性誌の「占い/おまじない」
 3 学ぶものとしての占い
 4 「おまじない」と「魔女」のイメージ
 5 鏡の「占い/おまじない」に対する価値観とその背景
 6 女性誌の「占い/おまじない」の変遷とその内容

終 章 「占い/おまじない」と少女がつむぐ「世界」、そのゆくえ
 1 「宗教の市場化」と「占い/おまじない」
 2 「DIY的宇宙」としての「占い/おまじない」
 3 「占い/おまじない」に見いだされる個人の意識と社会的背景
 4 「占い/おまじない」とオウム真理教
 5 現代日本社会のスピリチュアリティの今後――「おわりに」に代えて

初出一覧

あとがき

著者略歴

著:橋迫 瑞穂
1979年、大分県生まれ。立教大学大学院社会学研究科社会学専攻博士課程後期課程修了。立教大学・大正大学非常勤講師。専攻は宗教社会学。論文に「現代日本社会における宗教と暴力――「聖なるもの」と「私」の社会学的考察」(立教大学博士論文、2010年)など。

ISBN:9784787234476
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:216ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2019年02月
発売日:2019年02月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VXF