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アメリカ雑誌に映る〈日本人〉

オリエンタリズムへのメディア論的接近

著:小暮 修三

紙版

内容紹介

アメリカ人は〈日本人〉をどうイメージしてきたのか。雑誌「ナショナル・ジオグラフィック」などが描き続けてきた日本人像をたどり、サムライ・ゲイシャから企業戦士、テクノロジー、ジャパニメーションへの変遷にオリエンタリズムの痕跡を読むメディア論。

目次

はじめに

第1章 他者/自己への眼差し――「ナショナル・ジオグラフィック」を「読む」ための概念地図
 1 リプレゼンテーション(Representation)
 2 オリエンタリズム(Orientalism)
 3 テクノ・オリエンタリズム(Techno-Orientalism)
 4 テクノ・ナショナリズム(Techno-Nationalism)
 5 「ナショナル・ジオグラフィック」とは?
 6 「ナショナル・ジオグラフィック」の〈日本人〉

第2章 ゲイシャ・ガール――古典的オリエンタリズムI
 1 ファンタジー――『蝶々夫人』あるいは「花のもてなし」
 2 アイロニー――幻想としての伝統的日本人女性(ゲイシャ・ガール)
 3 ノスタルジー――商品または歴史的存在としてのゲイシャ・ガール
 4 二十一世紀のゲイシャ・ガール

第3章 サムライ――古典的オリエンタリズムII
 1 封建遺制のハラキリから戦争の狂気へ――太平洋戦争敗戦まで
 2 「張り子の虎」から精彩を失った伝統へ――一九五〇―七〇年代
 3 そして「精神」へ――一九八〇年代以降
 4 二十一世紀のサムライ

第4章 テクノロジー――テクノ・オリエンタリズム
 1 テクノロジーと結び付けられた〈日本人〉
 2 西洋文明の模倣者(サムライ)――十九世紀末以降
 3 西洋テクノロジーを使う女性労働者(ゲイシャ・ガール)――一九二〇年代以降
 4 資本主義陣営の「モデル・マイノリティ」――一九七〇年代半ば以降
 5 テクノロジーと「伝統」に生きる「オタク」――一九八〇年代半ば以降
 6 二十一世紀のテクノ・オリエンタリズム

第5章 オリエンタリズム批判再考――反オリエンタリズム教条主義を超えて
 1 オリエンタリズム批判再考――オリエンタリズムとセルフ・オリエンタリズムの相互補完関係
 2 テクノロジーをめぐるセルフ・オリエンタリズムとナショナリズムの相関性
 3 ノスタルジーとエキゾチズムを伴った古典回帰的オリエンタリズム
 4 反オリエンタリズム教条主義を超えて

あとがき

著者略歴

著:小暮 修三
1967年、東京都生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、テレビ制作ディレクターを経て、2000年にニューヨーク州立大学バッファロー校教育系大学院修士課程に入学、06年に同大学院博士課程を修了。東京海洋大学・明治学院大学非常勤講師。専攻は教育社会学・メディア論。共訳書にマイケル・W・アップル『オフィシャル・ノレッジ批判』(東信堂)など。

ISBN:9784787232922
出版社:青弓社
判型:A5
ページ数:188ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2008年12月
発売日:2008年12月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB