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越境する近代 12

戦時婦人雑誌の広告メディア論

著:石田 あゆう

紙版

内容紹介

戦前に100万部以上の発行部数を誇った「主婦之友」は、戦時下で商品と読者をどう結び付けたのか。プロパガンダ・広報・広告が交錯するなかで、「信頼」を基盤にして女性たちのネットワークを築き上げようとした戦時婦人雑誌の新たな一面を照らし出す。

目次

はじめに――問題の所在

第1章 婦人雑誌広告の〈信頼〉と視覚イメージの洗練
 1 読者のために――婦人雑誌と広告収入
 2 雑誌出版に向けて
 3 「一社一誌主義」宣言のPR効果

第2章 関東大震災以後の「主婦之友」
 1 被災のなかでの宣伝活動
 2 主婦之友社文化事業部の創設
 3 一般公募展への発展
 4 ビジュアルによって進んだ消費者向けメディア化
 5 作品紹介から流行案内へ

第3章 昭和前期の洋装普及と婦人雑誌
 1 婦人雑誌の広告媒体としての魅力
 2 彩られる婦人雑誌
 3 流行案内としての広告――色づく女性たち
 4 流行案内から更生服へ

第4章 化粧品広告メディアとしての戦時婦人雑誌
 1 戦時下の婦人雑誌に課された広告規制
 2 戦時下に模索される広告表現
 3 広告競争時代からの脱却

第5章 戦争時代の女性の理想美
 1 戦時の理想の女性像
 2 一九三〇年代の化粧品の消費状況
 3 転換期を迎えた化粧品広告
 4 「非常時」の「健康」美人広告をめぐって
 5 美装的白肌美人から、素肌的若肌美人へ

第6章 婦人雑誌メディアの危機管理対策
 1 戦時から戦後へ
 2 危機と対峙する婦人雑誌編集者
 3 一九四〇年代の出版活動の変化

おわりに

あとがき

索引

著者略歴

著:石田 あゆう
1973年、大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位認定退学。京都大学博士(文学)。現在、桃山学院大学社会学部准教授。専攻はメディア社会学・消費文化論。著書に『ミッチー・ブーム』(文藝春秋)、共著に『博覧の世紀』(梓出版社)、『近代大阪の出版』(創元社)、『「反戦」と「好戦」のポピュラー・カルチャー』(人文書院)など。

ISBN:9784787220592
出版社:青弓社
判型:A5
ページ数:192ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2015年01月
発売日:2015年01月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:GBCS