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富士山コスモロジー

著:藤原 成一

紙版

内容紹介

『万葉集』の時代から現代まで、水の山、火の山、神仏の山、日本の象徴として崇拝され、歌に詠まれ、絵画に描かれ、信仰されてきた富士山。その富士山への心性史を再現し、富士山に託してきた思想・信仰・美学の全容を解明する。

目次

序 章 富士山悲歌 
 ヤマに向けるまなざし 
 変わりはてた富士山 
 見れど飽かぬ富士山 
 さまざまの富士山像 
 イデオロギー富士 
 富士山探究の諸ルート 

第1章 水神、富士山巡り 
 自然とどうつき合ってきたか 
 富士八海巡り 
 富士の原点、水神龍神 

第2章 火神、富士山遥拝
 富士山の姿かたち 
 富士山の誕生と成長 
 猛威をふるう火の山 
 浅間神から木花咲耶姫へ 
 火の山の修辞学 
 恋の火の山から自然の火の山へ 

第3章 蓬莱山富士 
 自然神から神仙の山へ 
 蓬莱山富士山 
 仙境思想の導入と拡がり 
 仙境富士のよみがえり 

第4章 富士神仏曼荼羅 
 自然神の山から雑密の山へ 
 仏教修行の山富士 
 心身の修行と鍛練の山へ 
 食行身禄から富士講へ 
 富士講の成長と富士登山 
 富士登山道の神仏曼荼羅 

第5章 定型富士山づくり 
 かな文化のつくる富士山 
 都びとの「みやび」富士 
 真名(漢字)が捉える富士山 
 三つ峯型富士の形成 
 文学からつくられる富士の定型画 
 真面目ごころのつくる「探幽富士」 

第6章 聖富士・俗富士 
 実景から真景へ 
 真景から蓬莱へ、仙境へ 
 江戸自慢、富士の山 
 信心遊びのつくる富士 
 ミニ富士づくりのはて 

第7章 富士山狂想曲 
 遊び富士から真面目富士へ 
 神がかりの系譜 
 異国人の富士の見方 
 富士山を全国民のものに 
 磨かれる国粋イデオロギー富士 
 山桜匂う旭日富士 

終 章 富士山ネットワーク 
 さまざまの富士マンダラ 
 風光マンダラとイデオロギーマンダラ 
 富士エコロジーマンダラのゆくえ 
 実景富士山を見つめる 
 あるべき富士山の真景とは 
 富士山ネットワーク 

参考文献 

あとがき

著者略歴

著:藤原 成一
1937年、兵庫県生まれ。東京大学文学部卒業。日本大学芸術学部教授を経て、講師。生存科学研究所常任理事。著書に『仏教ごっこ日本』『日本往生術』『風流の思想』『宗教を考えるヒント』『癒しの日本文化誌』『癒しの地形学』『天狗はうたう』『弁慶』『太郎冠者、まかりとおる』『癒しのイエ』『かさねの作法』(いずれも法蔵館)、『幽霊お岩』(青弓社)など。

ISBN:9784787220356
出版社:青弓社
判型:4-6
ページ数:282ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2009年05月
発売日:2009年05月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:WTL
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:WTR
国際分類コード【Thema(シーマ)】 3:1FPJ