イチョウの自然誌と文化史
著:長田 敏行
紙版
内容紹介
古来から日本人にとって親しみ深いイチョウは、ギンナン料理はもとより、街路樹として植えられ、シンボルマークや文学作品にも数多く登場してきた。
明治時代、平瀬作五郎と池野成一郎によるイチョウやソテツの精子発見は、日本人が世界に先駆けて行った独創的な研究であるが、本書では、その舞台背景を当時の貴重な資料とともに紹介する。さらにイチョウの属名 Ginkgo については、ケンペルの誤記説が通説となっているが、実は長崎方言の発音を忠実に再現した結果なのではないかという、著者の興味深い仮説も紹介している。
絶滅しかけたイチョウが、人間活動により世界中に「生きている化石」として分布を拡げてきた事実を知ることは、生物種の多様性を保全する見地からも大変重要である。イチョウの植物学的側面や、その文化史に興味のある方にぜひ一読をお勧めしたい。
目次
1.イチョウ精子発見は,なぜ大発見か?
2.イチョウの旅路:
3.生きている化石としてのイチョウ
4.平瀬作五郎と池野成一郎の肖像
5.イチョウの繁栄と衰退のドラマ
6.イチョウは中国から日本へ運ばれてきた
7.そしてイチョウは世界へ広がった
8.医薬品としてのイチョウ
9.ケンペルがイチョウをGinkgoと呼んだ
10.ゲーテとイチョウ
11.小石川植物園植物散策と歴史的背景
12.イチョウが教えてくれるもの
13.終章
ISBN:9784785358570
。出版社:裳華房
。判型:A5
。ページ数:218ページ
。定価:2400円(本体)
。発行年月日:2014年02月
。発売日:2014年02月10日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PSTJ。