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物性科学選書

低次元導体☆〔改訂改題〕☆

有機導体の多彩な物理と密度波

編著:鹿児島 誠一

紙版

内容紹介

 本書は、「物性科学選書」の第1巻『一次元電気伝導体』を全面的に改訂したものである。
 1982年の初版刊行以来、有機導体などの1次元電子系の物性研究は、躍進していくつもの分流を生み出し、その分流がそれぞれに発展・成長を遂げている。この状況に対応するために、2000年に新たな執筆者を加えて改訂し、書名も内容をよく表すように変更した。

目次

1.低次元物質とその電子構造
 1.1 低次元導体の世界
 1.2 伝導帯の形成と低次元性
 1.3 フェルミ面とその形状
 1.4 電気伝導と低次元フェルミ面
 1.5 分子性物質の特徴
 文献

2.1次元電子系のパイエルス転移
 2.1 分極関数
 2.2 パイエルス転移
 2.3 コーン異常とパイエルス転移温度
 2.4 密度波と電気伝導
 2.5 低次元系のゆらぎ
 文献

3.密度波のダイナミクス
 3.1 密度波状態の構造
 3.2 “波”の集団励起
 3.3 位相の運動
 3.4 密度波のピン止め
 3.5 位相ソリトン(“粒子”の励起)
 3.6 密度波の運動
 3.7 狭帯域雑音(NBN)
 3.8 密度波とノーマル粒子の相互作用
 3.9 密度波の内部変形
 3.10 その他の話題
 文献

4.クーロン相関と磁性
 4.1 電子相関
 4.2 電子の磁性
 4.3 フェルミ流体論
 4.4 朝永‐ラッティンジャー液体
 4.5 強束縛ハバード模型
 4.6 スピン‐パイエルス転移
 4.7 長距離クーロン相互作用
 4.8 磁場誘起SDW
 文献

5.超伝導
 5.1 超伝導とは
 5.2 BCS理論
 5.3 超伝導の対称性
 5.4 引力の機構
 5.5 低次元性と超伝導
 5.6 酸化物高温超伝導体との比較
 文献

6.物質総覧
 6.1 電荷密度波系
 6.2 スピン密度波系とスピンパイエルス系
 6.3 アクセプター系有機導体:M(dmit)2塩
 6.4 1次元性と高次元性の関係
 文献

著者略歴

編著:鹿児島 誠一
東京大学名誉教授、理学博士。1945年 大阪府に生まれる。東京大学理学部卒業、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。工業技術院電子技術総合研究所研究員、東京大学助教授・教授、明治大学客員教授などを歴任。主な著書・訳書に『固体物理学』(裳華房)、『自然現象と物理法則のあいだ』(丸善出版)、『サーウェイ 基礎物理学 I.力学』(共訳、東京化学同人)などがある。

ISBN:9784785326104
出版社:裳華房
判型:A5
ページ数:390ページ
定価:5400円(本体)
発行年月日:2000年05月
発売日:2000年05月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PHM