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関数解析の基礎

著:吉田 伸生

紙版

内容紹介

 現代数学の視点から標準的内容を解説した関数解析の本格的入門書。初学者にとって理解しやすい一方、専門家までもが目を見張る水準まで定式化の美しさ、証明の切れ味を磨きぬくという著者の精神が貫かれている。証明法や具体例については、下記のような特色をもつ。多数の練習問題(問)も収録。

◆本書の特徴◆
● 定理や命題は可能な限り自然で一般的仮定のもとで証明した。
● 具体例をできるだけ多く取り入れ、それらを通じ、理論の有用性を実感できるように工夫した。
● 一様有界性原理、開写像定理、閉グラフ定理(「関数解析三大定理」)に対し、近年、ベールの範疇定理を経由しない初等的・直接的証明法が発見された。本書ではこの新しい証明を採用した。
● 関数解析の手法は解析学の様々な分野に応用される。例えば、複素関数論への応用としてハーディ空間、ベルグマン空間を紹介した。また、偏微分方程式への応用としてディリクレ問題に一節を設けた他、バナッハ・アラオグルの定理の応用例として非線形偏微分方程式にも言及した。
● 20世紀後半の数学の中でも屈指の重要結果であるアティヤ・シンガーの指数定理のひな形ともなったテープリッツの指数定理について最終節で詳しく述べた。
● 付録にルベーグ積分摘要を設けることにより、ルベーグ積分未習読者でも既習読者と遜色なく学習が進められるよう配慮した。

目次

0.序
1.バナッハ空間とヒルベルト空間
2.有界作用素
3.共役空間
4.閉作用素
5.一様有界性原理・開写像定理・閉グラフ定理
6.弱位相・汎弱位相
7.レゾルベントとスペクトル
8.フレドホルム作用素
付録A.集合・線形代数・距離空間
付録B.ルベーグ積分論摘要
付録C.問の略解

著者略歴

著:吉田 伸生
名古屋大学教授、博士(理学)。1966年 京都府に生まれる。京都大学理学部卒業、京都大学大学院理学研究科博士後期課程中退。京都大学助手・講師・助教授・准教授などを経て現職。

ISBN:9784785315993
出版社:裳華房
判型:A5
ページ数:332ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年09月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PBKF