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接続の微分幾何とゲージ理論

著:小林 昭七

紙版

内容紹介

 “接続”は微分幾何を専門にする読者だけでなく、トポロジー、代数幾何、理論物理などの研究にも重要な道具となっている。本書は、そのような広い範囲の読者に、接続の理論と、その応用としてゲージ理論の初歩を解説することを目的としたものである。
 なお独習者のために、問題にはすべて解答がつけられている。

目次

1.多様体
 §1 ベクトル束
 §2 微分形式
 §3 微分形式の積分
 §4 Poincareの補題
 §5 de Rhamコホモロジー
 §6 テンソルとLie微分

2.接続
 §1 ベクトル束の接続
 §2 ベクトル束の曲率
 §3 内積をもったベクトル束
 §4 主ファイバー束
 §5 主ファイバー束の接続
 §6 主ファイバー束の接続(水平部分空間の方法)
 §7 主束の接続からベクトル束の接続へ
 §8 平行移動とホロノミー
 §9 アファイン接続
 §10 テンソル場の共変微分
 §11 アファイン接続の測地線

3.リーマン幾何
 §1 部分多様体
 §2 部分多様体の接続
 §3 部分多様体の接続(動標構の方法)
 §4 リーマン多様体の接続
 §5 共形変換
 §6 定曲率の空間
 §7 調和積分

4.特性類
 §1 複素ベクトル束
 §2 Chern類
 §3 複素直線束のChern類
 §4 Chern指標
 §5 Pontrjagin類
 §6 Euler類
 §7 特性類の一般論
 §8 葉層構造と特性類

5.Yang‐Millsの接続
 §1 接続の集合
 §2 ゲージ変換群
 §3 接続の空間に作用するゲージ変換群
 §4 Yang‐Millsの方程式
 §5 弱安定なYang‐Mills接続

6.4次元多様体上のYang‐Mills接続
 §1 2次微分形式の分解
 §2 自己双対な共形構造
 §3 (反)自己双対接続
 §4 モジュライ空間
 §5 S4 上の自己双対接続

著者略歴

著:小林 昭七
カリフォルニア大学名誉教授、Ph.D.。1932年 山梨県出身。東京大学理学部卒業。プリンストン高等研究所研究員、マサチューセッツ工科大学研究員、ブリティッシュ・コロンビア大学助教授、カリフォルニア大学バークレー校助教授・副教授・教授などを歴任。2012年逝去。主な著書に『微分積分読本』『円の数学』『曲線と曲面の微分幾何(改訂版)』(以上 裳華房)、『複素幾何』『顔をなくした数学者』(以上 岩波書店)、『ユークリッド幾何から現代幾何へ』(日本評論社)などがある。

ISBN:9784785310585
出版社:裳華房
判型:A5
ページ数:266ページ
定価:4700円(本体)
発行年月日:1989年